英国アンティーク、オーク材の台にセットされたミニチュア聖書と拡大鏡セット。
豆本。
英語では「Miniature Book」とよばれ、文字通り小さな豆粒のような本のことをいいます。
豆本とよばれることへの厳密な決まりはありませんが、ヨーロッパではおおむね3インチ(7.62cm)以下のものをそう呼び、16世紀頃には聖書を中心に豆本が盛んに作られたようです。
小さな文字をきちんと印刷する技術、それに対応する紙の開発、そして製本技術と、豆本には様々な技術がつまっており、各出版社がしのぎを削るアイテムだったことは想像に難くありません。
さて、今回ご紹介するのは、そのなかでも特別な豆本です。
まず印象的なのは、オーク材で作られた「pulpit/パルピット(説教台)」。高さ約15cm弱のパルピットの支柱は挽物細工で出来ており、天板には本を仕舞うことが出来る段がつけられています。
そのパルビットにチェーンで繋げられているのは、小さな小さな聖書と、その聖書を読むための拡大鏡。指先で聖書をパルピットから取り出し、広げ、拡大鏡で読む・・・という一連の動作がここで完結するセットとなっております。
底面には「聖書がいかに貴重な品物であったのか」「そのため台にチェーンで繋がれていたものだった」というような説明書きが貼られています。このセットは聖書のかつての姿を説明するための、またとないミニチュアでもあります。
聖書の発行は「Nimmo Hay And Mitchell」。
Nimmo、Hay&Mitchellは、1850年代創業し、1970年頃まで製造を続けていた出版社。
エディンバラとロンドンにオフィスがあり、1860年代から1920年代頃に最も活動をしていました。少年向けのシリーズ本や、「Nimmo’s Miniatures」で称される「ミニチュア本=豆本」を発行し人気を博しました。
今回ご紹介しているセットは、1919年頃に作られたお品物。
豆本の製造に熟達したNimmo Hay And Mitchellが、豆本の舞台装置としてパルピットと拡大鏡をセットし、販売していたものと思われます。
豆本の蒐集家はもちろん、ミニチュア好きにもたまらないこだわりのセットは、置いておくだけで絵になる優れもの。貴方のライブラリーのマスコットとして、書棚の片隅に置いておくのはいかがでしょうか。
ふとした瞬間、小さな聖書を広げ、拡大鏡で聖書の文言を辿ってみる。100年前の持ち主がたどった行動をなぞらえるように。
その時貴方の心は、何を感じるのでしょうか。
◆England
◆Nimmo Hay And Mitchell
◆推定製造年代:c.1919年
◆素材:オーク、紙、レザー、ガラス、金属、他
◆サイズ:幅85cm 奥行き約7cm 高さ約14.7cm
◆重量:160g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色、補修跡等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。
Todd Lowrey Antiques
by d+A