英国アンティーク、ヴィクトリアン・フェアリング。
Victorian Fairing/ヴィクトリアン・フェアリング。
あまり耳にされない言葉なのではないでしょうか。
それは「China fairing/チャイナ・フェアリング」ともよばれ、主として英国でヴィクトリアン時代に流行した陶器の置物のこと。
人や動物などの様子の1シーンを描いたものが多く、例えば部屋の中の1シーン・・・ベビーを見守る両親、男女の喧嘩やベッドでの様子などなど、ちょっと風刺が効いたものが多かったようです。
名前は「Fair/フェア」の景品として作られたことが由来。
休日にフェアに出かけ、お土産にフェアリングを持ち帰り、部屋に飾る・・・そんなゆとりのある中産階級がヴィクトリア時代の英国にはたくさんいた、ということでしょう。
比較的小ぶりで、高さは7~8cmから大きくても12~13cmくらいのフェアリング。
英国の家庭のマントルピースの上などに飾るのに、まさにちょうどよい雰囲気とサイズであったのです。
さて、その当時、フェアリングを作っていたので有名なのはドイツの窯元「Conta Boehme」。
ヴィクトリア時代の英国はヨーロッパの一大消費地でしたので、ドイツ産で英国で販売される、というのはごく普通の流れだったといえるでしょう。
今回ご紹介するのは、そんなヴィクトリアン・フェアリングのひとつ、猫のフェアリングです。
残念ながら底面に刻印は確認できませんが、焼きや絵付けの具合から「Conta Boehme」と同時期くらい古いものだと推測いたします。
凝ったデザインのセティ(長椅子)の上に乗った2匹の猫。
間に置かれたサモワール(英国ではTea Urn/ティーアーン)の前にはカップが置かれており、1匹の猫がそっと片手を注ぎ口に添えています。
まるで、猫がお茶をいれてくれているように・・。
ちなみに、台座に描かれた「Good Tempers」は「よい温度」の意味。
「ちょうど良い熱さのお茶が入りましたよ、さあどうぞ」と猫が言ってくれているようです。
表情豊かなヴィクトリアン・フェアリングは、そこに置くだけでストーリーが紡ぎだされる優れもの。
かつてのヴィクトリアンの家庭のように、さりげなく飾ってお部屋の表情をより深いものにしてみてはいかがでしょうか。
◆買付England/製造Germany
◆推定製造年代:c.1880年代頃
◆素材:陶器
◆サイズ:幅約9.3cm 奥行き約5.8cm 高さ約9.5cm
◆重量:207g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、塗料のハゲや変色、製造時からと思われる凹凸等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*欠けやヒビはみられません。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A