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Monday

どこにいても、いつも心はそばに /Antique Crested China Teddy Bear "WHITLEY BAY"

英国アンティーク、クレステッド・チャイナのテディベア。













素朴な白い陶肌に、WHITLEY BAY/ウィットレイ・ベイの紋章が描かれた、クレステッド・チャイナ。


Crested China/クレステッド・チャイナとは、このように各地の紋章がついている小さな陶器のことをいいます。主にヴィクトリア時代後期から1930年代頃までに多く作られました。

ヴィクトリア時代、英国では鉄道網が発達し、一般庶民でも旅行を楽しむことができるようになりました。そして、旅行に行った先で欲しくなるものは、お土産。


沢山の物を飾り付けるヴィクトリアンの室内装飾において、お土産の装飾小物はまさにうってつけのアイテムだったことでしょう。

そして、庶民が旅行に行けるようになった、といっても、まだまだいけない人は沢山いたでしょうから、行った先が一目でわかるようなものであれば、家に来たゲストにさりげなく自慢ができるというもの。

そんな理由から、小さくて持ち運びが容易、そしてご当地の紋章が描かれているクレステッドチャイナは、たいへんな流行となりました。


さて、このウィットレイ・ベイのチャイナは、テディベアの形をした珍しいもの。

ベアの顔が微妙に可愛くないところが、アンティークらしいリアルさをもっているような気がいたします。
更に、わざわざ背中に「Teddy Bear」と書かれているところも、それがないと熊だってわからないんじゃない?っていうくらいの消極性が感じられて、微笑ましい限りでございます。


そして、ウィットレイ・ベイとは、イングランドの北東海岸にある海辺の町のこと。
灯台があるセントメアリー島が沿岸にあり、街の名物となっています。

紋章の中心にはその灯台、そしてサポーターには男女の人魚。
モットーは「PER MARE PAR TERRAS」。これはラテン語で「海にいようと陸にいようと(どこにいても、いつも心はそばに)」の意味。
*「Per mare per terram」と表記されることもあります。


実は現在の紋章はこれとは少し異なり、サポーターは人魚ではなく上半身がライオン、下半身が海獣の幻獣となっています。
その紋章は1954年に周辺の町が統合された際に設定されたものですので、今回のベアが持っている紋章は、それ以前の古い紋章であるといえます。


古い古い紋章を抱えた、ちょっと可愛くないTeddy Bear。
紋章のモットーがもつ、意外に情熱的な言葉とともに、長い年月を過ごして参りました。

これからは、ぜひ貴方のそばに居場所をつくってあげてください。


◆England
◆推定製造年代:19世紀後半
◆素材:陶器
◆サイズ:幅約5.7 奥行約6.2 高さ約9.3cm
◆重量:約63g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*製造時からと思われるスポッツや、汚れ、柄や金彩の剥げなどがございます。
*大きな欠けやヒビなどはみあたりません。
*古い焼き物ですので、お取り扱いにはご注意ください。
*画像の備品は付属しません。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。



Todd Lowrey Antiques
by d+A