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Monday

可憐な銀の輪っかを持つ拡大鏡 / Antique Silver Handle Magnifying Glass Birmingham 1912

 英国アンティーク、シルバーハンドルルーペ。

















可憐な装飾が施された輪っかの持ち手が印象的な拡大鏡のご紹介です。




使い始めてみるともう手放せないツールと言える、拡大鏡。

しかもアンティークの銀製品であれば、美しさと機能性、そしてクオリティのすべてを満足させるひとつの究極であることは間違いありません。



英国アンティーク・シルバーにはホールマークを読み解く愉しみがつきものですが、今回ご紹介する拡大鏡にも、持ち手の根元に、数個のホールマークをみることができます。



左のメーカーズマーク、3つの円の中に J.G LTD は、1880年創業、英国 Birmingham、Hockley Hill の、Joseph Gloster Ltd のものと思われます。同社は、1890年から英国バーミンガムのアッセイオフィスに登録され、フラットウェア、ナプキンリング、トーストラック、ピントレイ、シガレットケース、ベスタケースなど、様々なシルバー製品を多数製造してきました。 


メーカーズマークの下には、錨のマークにライオンパサント、そして、デイトレターが小文字の「 n 」。これらは1912年にバーミンガムのアッセイオフィスで認可を受けたスターリングシルバーであることを表しています。



そして、持ち手の輪っかを包み込むように優雅な曲線を描くツル状の植物モチーフは、この時代まで流行を極めた、アール・ヌーヴォー/Art Nouveau が感じられます。


「新しい芸術」を意味するアール・ヌーヴォ―様式は、家具、ファッション、建築、工芸品、グラフィックデザインなど装飾芸術として展開され、代表的な作品として、Alfons Maria Mucha/アルフォンス・ミュシャの絵画や、パリの地下鉄入口などが有名で、その様式のモチーフは、花や蝶など動植物に由来する有機的な形状や構造、および緩やかな曲線に影響を受けているのが共通した表現方法です。1890年から1910年にかけて、主に欧州で人気を博した芸術運動、1900年に開催されたパリ万国博覧会は「アール・ヌーヴォー展」とも呼ばれるほど、流行の頂点であったと言われています。


その流麗なモチーフに加え、ネオクラシカル(新古典様式)で好まれた可憐なリボンモチーフがポイントであしらわれており、小さいながらもヨーロッパ装飾美の粋を集めたような意匠で整えられたアンティークシルバーとなっております。




なお、レンズ部分は後年のものであると思われます。金属製のレンズ枠は太いものもありますが、このお品物はごく細いレンズ枠で仕上げられており、繊細な印象です。

直径約4cm強、倍率約5倍のレンズはコンディションもよく、傷はほとんど見えませんので、十分にお使いいただけることと思います。


全体長さ約9cm、重さも17gほどですので、お気に入りのチェーンを通して首から下げてもよろしいのではないでしょうか。


100年を超えても、変わらないシルバーの輝きと質感。

いつまでも変わらない価値をもつ、実用的な英国アンティークのひと品です。



◆England

◆推定製造年:c.1912年

◆素材:ガラス・金属・シルバー

◆サイズ:全長約9.2㎝ 幅約4.2cm 持ち手部分最大幅約2.7cm 

◆重量:17g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に微細な傷や汚れがみられますが、ガラス部分に目立つ傷はなく、とても良い状態です。

*レンズ部分は後年のものと思われます。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。



アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。

Todd Lowrey Antiques

by d+A