英国ヴィンテージ・ガラス製メジャーイングジャー。
古いビーカーやガラス瓶、試験管などに代表される実験・調剤ツール。錬金術師さながらの古い用具はどこかロマンティックで、並べておくだけでも絵になります。
今日はそんな実験ツールの中から、ガラス製メジャーイングジャーのご紹介です。
円錐形に足がつき、注ぎ口がついた高さ9cmほどのメジャーイングジャー。手彫りの文字は独特の美しさがあり、読み解く楽しみもございます。
さて、ここでひとつ疑問。このメジャーイングジャーの単位は何なのでしょうか?
英国の古い液量単位は、一番小さい単位がminim/ミニム、次いでdrop/ドロップ、dram/ドラム、teaspoon/ティースプーン、tablespoon/テーブルスプーン...となっていきます。ちなみに「1ドラム」が「3.5516328125ミリリットル」。
このメジャーイングジャーは、目盛りを中心に、左側に 2 1 1/2。
右側には120 90 60 40 20 10の文字が彫られています。
試しに 2=120 のところまで水を注ぎ、その重さを測ってみました。水の重さはほぼ7g。水は1g=1mlですので、2単位=約7mlであるならば、1単位は約3.5mlということになります。それに当てはめれば、一番近い単位は「ドラム」。
ちなみに「ドラム」には英国では他の呼び方があり、「液量ドラム=fluid dram=fluidram=フルードドラム(フルーイドラム)」とも呼ばれていました。おそらくカップの上部に在る「F」で始まる言葉は、このフルードドラムを略した形の単語なのではないかと思われます。
1ドラムは60ミニムなので、2ドラムは120ミニム。なので、右側の目盛りは「ミニム」単位を測るようになっています。
「dram/ドラム」は「drachm」とも書き、古代ギリシャの銀貨であるドラクマ銀貨に由来するといわれます。また「少量の液体」を意味したり、「1杯の酒」・・・特にスコッチ・ウイスキーを意味するときに使われるといいます。
さて、真ん中あたりに彫られた文字にも注目してみましょう。
「E Ⅱ R」そして下に「2」の文字がみられます。これはエリザベス二世(現在の女王陛下)のこと。エリザベス二世の在位は1952年からですので、このカップはそれ以降に制作されたものでしょう。そしてドラム単位は現在では使用されておらず、英国において度量衡の単位が変わったのが1970年代頃といわれておりますので、それまでに作られたものかと思われます。
薬局での調剤用や、化学者の実験用に使われていたメジャーイングジャー。独特の雰囲気をもつ英国ヴィンテージの小粋なひとしなは、ディスプレイにも、小物入れにも、アレンジメント用にしても絵になります。
ぜひ貴方のお手元でご堪能ください。
◆England
◆推定製造年代:c.1950-1970年代頃
◆素材:ガラス
◆サイズ:底部直径約4.6cm 高さ約9.1cm
◆重量:42g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、製造時からの気泡や凹凸等変がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*欠けやヒビはございません。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A