Search This Blog

Sunday

幻獣が支える優雅なセンターピース /Antique Trumpet Epergne Etched Glass & Wyvern Holder

英国ヴィクトリア時代の稀有なイパーン。














Epergne/イパーンとは、テーブルの中央に花等を活け高さを出すための器のこと。

発祥はフランス。もともとは平皿であり、テーブル中央でお菓子や果物をのせていましたが、
その後英国に渡り、英国独特のスタイルをうみだしていったといわれています。

素材はガラス、もしくはシルバーや銀メッキ。

花器部分がガラスのものは、受けがシルバーや真鍮などの金属製が多く、それぞれのコントラストがまた装飾性を高めています。

フォルムはトランペット型のものが多く、トランペット型の花器が1つ、もしくは複数枝分かれするような構造をもっていたり、花器とプレートが組み合わせられたものなどもあるようです。

テーブルのセンターピースとして高さをだし、華やかなテーブルセッティングを演出するために効果的に使われてきました。



今回ご紹介するのは、トランペット型の花器が1つのイパーン。

花器部分のガラスはシンプルなクリアグラスですが、シダのパターンがエッチングで施されており、さりげないこだわりが感じられます。

そしてこのイパーンの一番の特徴は、ベース部分。
不思議な姿をした幻獣が、三方から花器を支えています。

推測ではありますが、この幻獣はおそらくワイバーンの一種かと思われます。
ワイバーン/Wyvernとは、英国の紋章、印章、旗章などに見られるドラゴンの図像の一つであり、そこから派生した架空の怪物のこと。
ドラゴンの頭、コウモリの翼、一対のワシの脚、ヘビの尾、尾の先端には矢尻のようなトゲをもつといいます。

花器の幻獣はまさしくそのような翼と前脚を持っているように見えます。後ろ足がなく、くるりと丸くなっているのも、ヘビの尾をデフォルメしたものではないでしょうか。

顔つきは独特で、下あごが大きく出ており、これに関して当てはまる幻獣はみつけることができませんでした。なにか特別の意味をこめてデザインされたのかもしれません。


また、ワイバーンの紋章は「強い敵意」を表し、戦時中や軍隊に使用される事が多かったといいます。


三頭のワイバーンがそれぞれ均等に引っ張り合うような中心に、高くそびえるクリアな花器をもつイパーン。

見た目のエレガントさとは裏腹に、実は「強い敵意を持つもの同士をうまく御する」、そんな強い意志がこめられているのかもしれません。


いったいどのようなシーンで、このイパーンは使われてきたのでしょうか。
こめられた暗喩に、テーブルについた方々が思わず身震いする場面もあったかもしれません。


つきることのない想像に、アンティークの魅力を改めて感じることのできる、英国骨董の稀有なひとしなです。



◆England
◆推定製造年代:1890年代
◆素材:ガラス・金属
◆サイズ(全体):幅約14cm 奥行き約13cm 高さ約30.5cm
◆サイズ(ガラス部分のみ):直径約11cm
◆重量:約540g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色、ベースには若干の歪みがみられます。
*ガラス部分には製造時からと思われる凹凸がございます。カケやヒビはございません。
*詳細は画像にてご確認ください。
*発送時にはガラス部分とベース部分は外して梱包いたします。お手数ですが開梱後、ご自身で組み立てをお願いいたします。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。

http://toddlowrey.com/?pid=125043572


Todd Lowrey Antiques
by d+A