稀有なサイズのアンティーク・バロメーター。
「バロメーター/Barometer」とは気圧計・晴雨計のこと。
それが転じて、状態や程度を推し量る基準となるもの、指標という意味ももつようになりました。
気圧の変化は天気と密接な関係があるので、気圧計と晴雨計(せいうけい)は同じものであることが多いのです。
今回ご紹介するバロメーターは、英国で1900年代頃に作られたと思われるアンティーク。
なかのバネを見る限り、1843年フランスのルシアン・バイディが考案した「アネロイド気圧計」と思われます。
分厚いガラス中心には穴があいており、小さなネジがついていて、針の1本は自分で動かせるようになっています。
この使い方をご説明いたしましょう。
まず、現在の天気が晴れの時は、「Fair/晴れ」のところに針を合わせます。
自分では動かせない、硝子の内側にあるもう1本の針が、「Rain」の方にふれていたら天気は下り坂。「Very Dry」の方にふれていれば、このまま晴れ、かもっとよいお天気になる・・・。
実際に、もうじき低気圧がくる、という晴れの日に合わせてみれば、中の針は「Change」となっておりました。
また、周囲にめぐらされた目盛りはインチ法の気圧目盛り。
日本では現在気圧の単位はヘクトパスカルであり、英国では現在はミリバール、いまだインチを使っているアメリカでも気圧はさすがにミリバールとなっています。
このように気圧のインチ法はもう使っている国はほとんどないかもしれませんが、現在販売されている現行品のアネロイド気圧計は、レトロなデザイン性のためか、ヘクトパスカルと併記して、まだこの表示が残っているものをよく見かけます。
そして、このバロメーターの特徴はもうひとつ。
とても小さなサイズであること。
本体の直径はわずか約8.5cm。
ちょっと大きめのマグカップほどです。
この時代のバロメーターは多くが直径20cm前後、もしくはそれ以上で、華麗な装飾が施され、
機能性のみならず装飾性も重視され、お屋敷の壁を飾るものでした。
このバロメーターは、大きさ的に携帯用かと思われます。
現在のように気象予報が細かにわかるわけでもない時代。
例えば旅行にでたときなど、このバロメーターを携帯し、気圧の変化で天気を予想していたのではないでしょうか。
大きめの丸環金具も、旅先の部屋で、どこかにちょっと掛けやすいためのものと考えれば納得です。
細かな装飾はないものの、肉厚の無垢材を彫り込んだ本体、分厚く面取りされたガラス、繊細なメカニズムは小さな本物としての存在感を確かに持っています。
かつてどんな人が、このバロメーターを持っていたのでしょうか。
私としては、南国に植物採取目的で旅する、裕福で酔狂な壮年の英国紳士を思い浮かべます。
旅先のホテル、荷物を解いてバロメーターを取り出して。
さて、明日の天気はいかがかな・・・?
そんなストーリー思い浮かべてしまう、英国アンティークの稀有なひとしなです。
◆England
◆推定製造年代:c.1900年代
◆素材:木・金属・ガラス・その他
◆サイズ:直径約8.5cm(金具部分+2.5cm) 奥行き約3.5cm
◆重量:約120g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A