手の込んだダブルツイストを支柱に持つ、ヴィクトリア時代のケーキスタンド。
バーリー(大麦)の糖分から作られたねじり飴が名称の由来といわれるバーリーシュガーツイスト(Barley sugar twist)。
くるくるとねじれた意匠が特徴のバーリーシュガーツイスト、略してツイストは、17世紀後半から家具の脚などによくみられ、長く英国を中心としたヨーロッパで愛されてきました。
このツイストがさらに凝ったものがダブル・ツイストと呼ばれるもの。
バーリーツイストを2重に綾掛けにひねった意匠で、中心が抜けているのが特徴です。
ただのツイストよりも時間も手間もかかり、強度的にも難しいため、使われるのはキャンドルスタンドなどの小物にみられることがほとんどです。
さて、今回ご紹介するケーキスタンドは、珍しくもこのダブルツイストが使われています。
素材は古くから英国で愛されてきた材、オーク。
もともと英国に自生するオークは、どっしりと固く重く、素材の安定性と独特の杢目で家具や道具類を作るのに最適な材でした。
派手な象嵌や曲線的なフォルム・・・というよりは、材の特性をいかした実直で誠実な仕上がりを得意とし、まさに市井の人々の生活に密着してきた材ともいえます。
また、ケーキスタンドは、ヴィクトリア時代にはこのようなシングルタイプのものから、二段、三段、そして折り畳み式と凝ったものが沢山作られました。
ティータイムのひととき、お気に入りのティーセットやクロスを揃えるのはもちろん、このような小家具をテーブル周りに設えることは、素敵なお茶の時間を演出するのにまたとない方法であったことでしょう。
シングルタイプのこのケーキスタンドは、テーブルトップに乗せれば、空間を立体的に演出し、思いがけない豪華さをもたらしてくれます。
現代ならば、小物やドライフラワーなど飾って、ディスプレイするのにもとてもおすすめ。
作りは、こぶりのワインテーブルなどと同じように、木同士のネジで組み立てられ、びっくりするほど単純でありながら、手作りの巧みさを十二分に感じることができます。
見事なシルバーグレイン(虎斑)が浮き出た天板、分厚いオーク無垢材を削り出した、見事で、可愛らしいほど小さなダブルツイスト、しなやかなシルエット。
英国ヴィクトリア時代の、市井の人々の生活の豊かさを存分に追体験できる、貴重なアンティーク・アイテムは、傍に置くだけで、豊かな時間をもたらしてくれることでしょう。
◆England
◆推定製造年代:c.1890年頃
◆素材:オーク
◆サイズ:直径約25cm 高さ約16.3cm
◆重量:約1.1kg
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、多少の汚れや小傷などがみられます。
*上のトレイと台座、そして支柱は分解した状態で梱包・発送いたします。お手数ですが、ご自身で組み立てをお願いいたします。工具は不要、ねじ込むだけで組み立てられます。
*「ケーキスタンド」という名称ではありますが、直接食品を置くことは避けてください。
*塗装は古くからの仕上げ、「ニス」ですので、熱や水に弱い塗装です。お手入れは基本乾拭き、定期的にワックスをかけてください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承のうえ、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A