フランスアンティーク、小さな写真立て。
英国のアンティークフェアで手に入れた小さな写真立て。
高さわずか8cmあまりとこぶりながらも、ロココの装飾が施された凝ったお品物です。
ロココとは、18世紀フランスの宮廷から生まれた様式のこと。ルイ15世様式ともよばれ、当時の貴族や新富裕層の趣味を反映した非対称構成や曲線による軽快優美な表現を特徴とします。それまでの重々しいバロックとは異なり、ポンパドゥール夫人の趣味を筆頭にした、柔らかで優美、女性的なデザインが特徴といえるでしょう。フランスを中心にヨーロッパ全体で広くみることができ、今なお大変人気のある意匠となっています。
それでは、写真立てのデザインをよく見ていきましょう。
トップには豊穣の象徴、ホタテ貝。わずかに非対称になっているところもポイントです。そこからいくつものスクロールが組み合わされながらオーバルを形作り、スクロールの合間には小さなCスクロールが差し込まれ、リズミカルで優美な曲線となっています。下部には生命力の象徴のアカンサスの葉が中の写真を支えるように立ちあがっています。足元も可愛らしいスクロールとなっており、全体に凝った仕上げが目を惹きます。
背面には風車の絵と共に「MARQUE DEPOSE PARIS」の文字が刻まれています「MARQUE DEPOSE」とは日本語でいえば意匠登録の様な言葉で、フランスの品物に時折みることがあります。風車の絵はどこかのメーカーを表すようですが、メーカー名は特定ができませんでした。
使い方は、背面上部のブラケットのネジを緩めれば、背板が外れますので、写真の入れ替えが可能。このブラケットについている丸環で、壁に掛けることも出来るようになっています。ちなみに表面はガラスではなく、薄い樹脂板が嵌められています。
オリジナルがそうだったのか、後年入れ替えたのか、もともとなかったものに加えたのかは不明ですが、樹脂版もそれなりに年数は経っているように思います。
入れてある写真は第一次大戦時の英国軍の軍服を着た男性。帽子をかぶっていないので、オフィシャルではない家族用の撮影なのではないでしょうか。
フランスからの写真立てに、大切な人の写真をいれ、マントルピースの上やベッドサイドに置いていた人の姿が目に浮かびます。
セピア色になった英国軍人の写真をいかしてディスプレイしたり、もちろんご自身で選んだ写真をいれていただいても。
時を経て渋い金色になった真鍮のロココフレームが、フランスからのエッセンスを運んできてくれることでしょう。
◆英国買付/France
◆推定製造年代:c.1900-1930年代頃
◆素材:真鍮、紙、樹脂
◆サイズ(たたんだ時):幅約5.2cm 高さ約8.2cm 厚み約2cm
◆立てた時の奥行最大:約7.2cm
(これ以上は広がりません。接地面に摩擦がある場合はこれより狭い奥行で立てることができます)
◆重量:75g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*古い写真がお手元にある事に抵抗がある方は、前もってご連絡いただければ、写真は抜いて発送させていただきます。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A