英国アンティーク、木軸のディップペン。
英国の大きなアンティークフェア。
何度も訪れているそのフェアで、必ず立ち寄るストールがあります。
上品な白髪のお爺様と、仲良さそうなお婆様がやっているアンティーク筆記具のお店です。今回はそこで手に入れた、渋く歴史あるディップペン(つけペン)をご紹介いたしましょう。
やや明るめの色の木軸に取り付けられたペン先・・といってよいのかどうか、木軸にカシめた金属部分には、以下もの文字が刻まれています。
W.BROWN & Co's
OFFICE PEN
40&41 OLD BROAD ST
LONDON
「OLD BROAD STREET/オールドブロードストリート」とはロンドン、シティに今もある通りの名前。イングランド銀行の裏手からリバプールストリート駅方面に、ロンドンウォールを突き抜けていく細い通りです。現在は40、41番地は既になく、このあたりかな、と思われる場所は、再開発された大きなビルが建っています。場所はロンドンウォールの内側、中心地よりにあり、かなり昔から金融街として栄えていた場所であろうと思います。
「W.BROWN & Co's」についての情報はほとんどありません。
ただ、1866年の「THE LONDON GAZETTE」(英国政府による公式な政府公報であり、日本国で言う官報)の10月号に名前をみつけることができました。オールドブロードストリート40番地に、本や文房具の取り扱い業者として掲載されています。おそらく、シティのビジネスマンの御用達であったのではないでしょうか。
果たしていつまでその場所で商売を続けられたのかは不明ですが、様子からして新しくても1900年代頃なのではないかと推測し、推定製造年代は1860-1900年代頃とさせていただきました。
ペン先は非常に綺麗で、ほとんど使っていないように見えます。私の方でも試し書きは遠慮させていただきました。
ただ、木軸はインクの染みや使い込んだ様子があります。ペン先のみ替えられるタイプではないので、ペン先が潰れたら木軸を残して金属部分はまるごと取り換える、というような使い方だったのかもしれません。
推測ではありますが、そのようなサービスを店頭で行っていたのではないでしょうか。
新しく付け替えたペン先と長く使い込んだ木軸をもつディップペン。
なにかの理由でその後使うことはなくなり、ずっとそのまま仕舞われていたであろう、古い古い筆記具。
かつてのシティのビジネスマンの仕事道具を、貴方の手の中でご鑑賞ください。
◆England
◆推定製造年代:c.1860-1900年代頃
◆素材:木、金属
◆サイズ:全長約16.5cm 軸最大直径約0.6cm
◆重量:3g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。
Todd Lowrey Antiques
by d+A