英国アンティーク、フレーミングされたジョージアンのプリント。
英国で手に入れた4枚セットの小さなプリントフレーム。
今回はそのうちの1枚のご紹介です。
いかにも時代を感じる髪型とドレスを纏った細身のレディ。セピア色に色褪せたプリントに、黒を基調としたクラシカルなフレーミングが施され、小さいながらも独特の世界観を完成させています。
背面は紙貼りで、貼られたラベルには以下の文字がみられます。
Portraits of Ladies
of the Court of St.Jamess
Fashionable Head Dresses
Circa 1830
セントジェームズ宮殿のファッショナブルな髪型と衣装のレディのポートレイト
推定製造年代 1830
1830年といえば、ヴィクトリア女王の戴冠が1837年ですので、その前のジョージアンの時代。その時代、王の第一の宮殿はバッキンガム宮殿ではなく、セントジェームズ宮殿でした。
セントジェームズ宮殿はヘンリー八世(1491-1547)が建てた宮殿であり、ホワイトホール宮殿が火事で使用できなくなった1698年からロンドンでのステュアート王家の第一の宮殿となり、王朝の行政の中枢となった場所です。1837年以降バッキンガム宮殿が女王(王)の第一の宮殿となりましたが、セント・ジェームズ宮殿は現在も使用され、英国王室もこの場所を公的な住所としています。
さて、そんなジョージアンからヴィクトリアンへと時代が移った頃、1839年に発行された「ファッションプレート」を英国のミュージアムのサイトでみつけることができました。
ズバリそのものではないですが、今回紹介するプリントとテイストが非常に似ているので、同じシリーズかと推測いたします。
参考:英国のブリストルミュージアムのサイト fashion plateの頁
http://museums.bristol.gov.uk/details.php?irn=134512
このような印刷物がジョージアンからヴィクトリアンの初めにかけて市場に出回り、セントジェームズ宮殿に集まる上流階級のレディたちの髪形やファッションを、多くの人々が見て愉しんだのではないでしょうか。
今回のフレームは、そのファッションプレートを後年フレーミングしたものとなります。
納められているブラックベースにゴールドがポイントでついた細いフレームは「Hogarth Frame/ホガース・フレーム」と呼ばれるもの。英国では一般的にみられるこのフレームは、ヴィクトリア時代に美術版画出版社を設立し、版画販売者、額縁製作者、美術修復家としても活動していた「ジョセフ・ホガース/Joseph Hogarth(1801-1879)」が由来です。
19世紀半ば、ロンドンで二人の息子と共に「Joseph Hogarth & Sons」の名前で活動し、多くの品物を流通させました。それ以降から現代まで(現代はあまり流行っていませんが)このホガース・フレームは、クラシカルでありながら仰々しくなく、そしてそれほど高額ではないという特徴において、長く需要があるフレームデザインとなっています。
今回のお品物は、裏貼りの様子から、おそらく20世紀前半、1930-1950年代頃のフレーミングと推測いたします。
それほど重い物ではございませんので、画鋲1つで壁に留めることも可能。
1点でちいさなスペースにディスプレイしてみたり、他のものと組み合わせたりしてむ素敵です。
こちらに背を向けたレディは、凝った髪型がポイント。大きく開いた襟元と透けるショールも当時のファッションの最先端だったのかもしれません。
絵柄としては、向こうを向いているからこそ、顔を自分の想像と組み合わせる、余白があるように思います。
どうぞ貴方のお好みの顔を投影して、お楽しみ下さい。
◆England
◆推定製造年代:プリントc.1830年代頃 フレーム:1930-1950年代頃
◆素材:紙、木、ガラス、他
◆サイズ:約10.4×12.9cm 厚み約1.2cm(+吊り金具)
◆重量:76g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、内包されたゴミ、変色、裏紙の破れ等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。
Todd Lowrey Antiques
by d+A