英国アンティーク、透かし彫りの小さなイーゼル。
英国中部の街、ホテルの宴会場で行われていたアンティークフェア。
小さいながらも選りすぐりのディーラーが軒を連ねる場所で手に入れた小さなイーゼルをご紹介いたしましょう。
貫禄たっぷりな英国紳士が目を光らせるストールは、小さな品物ばかりでしたが、クオリティの高い物で溢れていました。壁際の棚に置かれていたこのイーゼルを私が眺めているのに気づいた紳士は、早速手に取り、渡しながら早口で説明してくれました。
「ミッドヴィクトリアン。ベスト・ボックスウッド。」
教会のステンドグラスの様なゴシックスタイルの意匠。緻密な透かし彫り。ボックスウッドの緻密な艶。どれもが美しく、即決で手に入れてしまいました。
さて、実はこのイーゼル、英国で買付けした時は受けの部分が少しだけ傾いて取付けられていました。作り手はどうやら上部の飾りと平行にしたかったらしいのですが、全体でみると傾きが気になりましたので、時々お直しをお願いする修復士のもとに持ち込み、傾きを直してもらうことにしました。
修復士がひとめみていったセリフが「これ、本当に木?」。
「え、ボックスウッド・・・だけど」と少々困惑する私。
「こんな緻密な木って・・・」といいながら、傾きの調整のためにネジを外した彼が再び言いました。「あ、木だ。すごい。」
その後は、丁寧に小さな小さな穴を開け直し、見た目納得できる傾きにつけ直してもらいました。(そのため、背面をみると昔の穴の埋め跡がございますので、ご了承ください。)
なお、前述のとおり、全体に完璧に左右対称というわけではなく、どこを基準にするかでミリ単位の歪みがございます。手仕事ならではの味わいとしてご堪能いただければと思います。
経験豊富なアンティーク家具の修復士すら疑うような、緻密さをもった最高のボックスウッド。そしてヨーロッパの歴史を感じさせる壮麗なゴシックスタイルの意匠。
掌に乗る小さなイーゼルがもつ類まれなクオリティは、まさに英国アンティークの佳品。
もし貴方が手に入れることが出来るならば、手に入れておくべき逸品を、ぜひどうぞ。
◆England
◆推定製造年代:c.1860-1870年代頃
◆素材:ボックスウッド
◆サイズ(たたんだ時):幅約9.7cm 高さ約13.2cm 厚み約2.5cm
◆重量:24g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、歪みや変色、補修跡などがみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A