英国アンティーク、シルバーハンドルのレターオープナー & 拡大鏡のセット。
デスクにはパソコンやタブレットのみ。
現代ではそんな方もいらっしゃるのかもしれませんが、まだまだノートやファイル、郵便物等々が広がっている方も多いのではないでしょうか。
そんなアナログを愛する方へ、英国アンティークのシルバーハンドルのレターオープナーと拡大鏡のセットをご紹介します。
まず目を惹くのはハンドル部分の装飾。ふっくらとした厚みがあるハンドルには、優雅な装飾が施されています。周囲に回る細線、ところどころにクロスされた意匠はリボン&リード。束ねた葦束を表現するヨーロッパの伝統デザインです。
端部には盛り上がったリボン装飾が施されており、さらに可憐さを演出。流麗な曲線と立体的な細工で見事に表現されています。さらに興味深いのは、マークや番号などが数種類刻印されていること。
英国で製造された工業製品は、色々なことが読み取れるマークや番号を持っていることがあります。
代表的なものはシルバーのホールマーク。ただ、シルバーでなくても、(ある程度)真面目な国民性のせいか、当時定められたマークをいちいちちゃんとつけている品物もあります。
たとえばダイヤモンドコード(カートコードとも)。1842年から1883年までは、ある範囲の工業製品につけられていたもので、意匠登録のようなものといえます。ちゃんと読めればいつ、だれが登録した製品なのかがわかります。
これが1884年からはシンプルにレジストレーション(レジスタード)・ナンバーとなります。例えば1884年のRD Numberは「RDNO 1」から「RDNO 19755」まで。1908年のRD Numberは「RDNO 518640」から「RDNO 535169」まで。「D」及び「O」は上寄せで小さな文字となります。
今回のハンドルにつけられている番号は「RDN520153」ですので、1908年に登録された番号であることがわかります。
次にホールマークも見ていきましょう。
まず拡大鏡は右からシールドに小文字の「h」、ライオンパサント、バーミンガムの錨。これらは1907年、バーミンガムのアセイオフィスで認可を受けたスターリングシルバーであることを表しています。左端のメーカーズマークは 「W.V & S」と思われます。これは 「William Vale & Sons Ltd」のこと。
そしてレターオープナーも同じメーカーズマークとレジストレーション番号が刻印されていますが、デイトレターは「k」となっており、1909年の認可となります。
つまり拡大鏡とオープナーのハンドルは認可に2年の差があり、その間の年に意匠登録され、拡大鏡の方はレジストレーションナンバーが追加で刻印された、という事かと思います。
このことから、この2本は元からのセットではなく、後年一緒になったということ。そして拡大鏡に番号を追記するという手間をかけてまで、自分たちの製品に誇りを持っていたということなのではないでしょうか。
なお、拡大鏡のレンズ部分、そしてレターオープナーのブレード部分は後年に付け替えられたものと思われ、その部分はスターリングシルバーではございません。
レターオープナー、あるいはペーパーナイフは、「手紙の封を切る」ための道具として、なかなかに贅沢な品物。指を使って無理やり破く方は少ないと思いますが、レターオープナーは、カッターナイフよりも鋭くないがゆえに、折れ曲がったところを柔らかく破り、はるかに心地良く開封のお手伝いをしてくれる確かな道具として、17世紀から支持され続けています。
シルバーのハンドルをもつレターオープナー、そしてお揃いのハンドルを持つ拡大鏡。優雅な装飾をもつ可憐なセットを是非この機会にお手元に装備されてはいかがでしょうか。
◆England
◆Birmingham
◆推定製造年:c.1907年、1909年
◆素材:ガラス・金属・スターリングシルバー
◆拡大鏡サイズ:ハンドル幅約2.8cm 全体長さ約12.9㎝ レンズ部分直径:約4.5cm
◆レターオープナーサイズ:全体長さ約20.5㎝
◆重量:ルーペ31g レターオープナー35g
◆在庫数:1セットのみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に微細な傷や汚れがみられます。
*拡大鏡の持ち手に一部凹みがみられます。ご使用に差し支えはございません。
*レンズおよびオープナーの刃の部分は後年に付け替えられたものと思われます。
*オープナーは刃物ではありませんが、鋭い形をしています。お取り扱いには十分ご注意ください。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A