ロシアアンティーク、真鍮製入れ子式ウェイト。
英国、ロンドン郊外の競馬場で行われていたアンティークフェア。
屋外、屋内とあり、屋内は小さな良いものを扱うディーラーが多く、早朝6時半から大変な熱気に包まれていました。
その中の一軒、いかにも物知り気なおじ様が営むストールで見つけた、ちょっと変わったウェイトのご紹介です。
当店では今まで多くのウェイトを扱ってきました。特にドイツ製の「ニュルンブルグウェイト/Nuremberg Weights」は、蓋付カップの中にみっちりと入れ子式にウェイトが詰まった16世紀から見られるもので、その緻密さが素晴らしく、コレクター心に響く逸品でした。
今回の品物も構造的にはよく似ているのですが、蓋のとんがり帽子のような形状は見たことがありませんでした。
「これはどこのものですか?」とおじ様に聞けば「私はロシアだと思う。19世紀。珍しいものだよ。」と教えてくれました。同じ形で大小2つのものがあり、どちらも捨てがたく、ついにふたつとも手に入れてしました。
今回はそのうちの小さなほうのご紹介となります。
まず本体直径は3.3cmほど。全体高さは4.1cm。小さいですが、ずっしりと持ち重りがします。脇の金具を操作してパカリと開ければ、中には入れ子式に5個のウェイトが詰まっています。
ケース自体もウェイトとして使えるものですので、ケース含む6個すべてに数字が振られています。
数字は大きい順に以下となります。()内は私が測定したグラム数です。
24 (102g)
12 (51g)
6 (26g)
3 (13g)
2 (9g)
1 (4g)
(ケースこみ総重量205g)
さて、この単位は何でしょうか?
19世紀ロシアで使われていた質量の単位は「ゾロトニク/zolotnik」。1ゾロトニクは、現代の単位に換算すると約4.266グラムとなります。前述の測定をみると、単位1が4gでしたので、まずこのウェイトは19世紀ロシアのもので間違いないでしょう。底面には「1884」の数字もあり、これは作られた年である可能性が高いと思います。
ちなみに「ゾロトニク」の上の単位は「フント」。1フントが約409.5gでしたので、今回のお品物の総重量205gは約1/2フントにあたります。
1884年ロシアは、ロシア帝国であり、ロマノフ朝第13代皇帝アレクサンドル3世(在位1881-1894)の治世でした。そしてロシア帝国の国章は「双頭の鷹」。何個かのウェイトに刻印されている小さな円形の中に、その双頭の鷹らしき姿をみることができます。おそらく、国が認めたウェイトである・・・という証明のようなものかもしれません。
そしてなんとなくですが、蓋がとんがり帽子であることで、全体のフォルムが、ロシア正教会の特徴的な玉ねぎ型の屋根に似ているような気がします。
想像ではありますが、ドイツから来たニュルンブルグウェイトの仕組みを、ロシアが自国の単位で作り直すときに、なじみ深いフォルムにアレンジしたのではないでしょうか。ちなみにロシア正教会の玉ねぎ型の屋根の由来は「祈りを込めたろうそくの炎」を象徴している、という説があるようです。(雪が積もりにくい、という実用面もあり)
19世紀のロシア帝国で生まれた、小さな入れ子式重り。
手に取れば、考え抜かれた使い勝手とともに、フォルムに込められた想いが伝わってくるようです。
珍しくも面白い、貴重な逸品を是非貴方のものとしてください。
◆Russian Empire
◆推定製造年代:c.1884年
◆素材:真鍮
◆サイズ:本体直径約3.3cm 高さ約4.1cm 金具含む幅約4.9cm
◆重量:205g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。
*留め具はきちんと動作しますが、強力ではございません。保管の際はまっすぐに置いてください。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A

















