シルバー・グリップに加えシャフトに最高級素材・マラッカ藤を使った高級アンティーク・ステッキ。
17世紀、男性が剣を持たなくなった代わりに持ちはじめたといわれるステッキ。
その頃から、「象牙のグリップにマラッカ藤のシャフト」が高級ステッキの定番素材だったといいます。大航海時代に端を発し、世界中から素晴らしい品物を集めていた英国ならではの、贅沢な組み合わせ。
マラッカ藤(マラッカケイン)とは、マレーシア、マライ半島西岸のマラッカ海峡に面した港湾都市から出荷される周辺地域特産の藤の茎のことです。
もともとの材に斑(フラワー)が入っており、使えば使うほどそれが濃くなり、全体に艶がでてきて、しっとりと飴色になるのが特徴。
その艶具合や斑などは個体差があり、その表情を愉しむのがマラッカケイン愛好者の愉しみであるといっても過言ではありません。
軽く丈夫で表情豊か、そしてエイジングもたのしめるマラッカケインは、杖はもちろん、傘の柄にも使われており、現代においても英国紳士が大好きな素材。英国王室御用達、老舗の傘メーカーFOXも、傘の柄の定番素材としてマラッカ藤を取り揃えています。
今回ご紹介するステッキは、シャフトがそのマラッカ藤、そしてグリップはシルバーでできている最高級の逸品。
シャフトにはなんとも味わい深い斑がまるで絵画のように現れており、自然の奥深さを感じさせます。シンプルなグリップには、だいぶすり減ってはおりますが、確かにスターリングシルバーのホールマークが確認できます。それによれば、1888年にロンドンのアセイオフィスで認可を受けた品物であることがわかります。
グリップにはやはり「1888」の刻印が大きく施され、その上には「 E ・L 」のイニシャルがみえます。きっと持ち主のイニシャルでしょう。・・・エドガー・ルイス?・・・エリオット・ラングトン?(適当です)
英国では、イニシャルや名前、そしてその年(月日)を刻印して贈り物とすることは、しばしばみられること。
恐らく何かの記念に、周囲の人から、E・L氏へ1888年に贈られた杖なのではないでしょうか。
1888年、レイトヴィクトリアン、大英帝国の爛熟期。
霧の都ロンドンの街角を、杖をお供に散歩する壮年の英国紳士が目に浮かぶようです。
ヴィクトリア時代のロンドンからやってきた飴色の杖。
130年間、どんな物語をみてきたのでしょうか。
今度は貴方が、その物語の続きを紡いでください。
◆London,England
◆推定製造年代:c.1888年
◆素材:スターリングシルバー、マラッカ藤
◆サイズ:全体長さ約86.2cm グリップ直径約2.8cm
◆重量:約189g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、歪みや変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A