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Wednesday

1919年のロンドン、竹を模した1本 /Antique Crook Handle Walking Stick with Starling Silver


英国アンティーク、スターリングシルバーがポイントでついた大曲ステッキ。

















今回ご紹介するステッキは、シャフトがクルーク・ハンドル=大曲りとなっているステッキ。
このタイプのグリップは、持ちやすく、ちょっとした時に手に掛けておきやすい実用性で長年人気の定番となっているフォルムです。


一見すると節のある竹のようにみえるシャフト。
でもよくみれば、グリップの曲がっている部分の節は半分までしかありません。
そう、これは「竹のように節を彫った」木のステッキなのです。


ステッキに使われる材は様々な種類がありますが、東西を問わず、竹はとても優秀な材。
強く軽く、1本づつ異なる独特の節のある表情は、多くの人を魅了してきました。

ただ、ヨーロッパにおいて竹は自生しておりません。
東方からやってきた竹をステッキに仕立てて持つことは、多くの紳士の憧れだった事は、想像に難くありません。

ならば、木を竹のようにみせてしまえ・・・という発想が生まれるのも納得がいきます。
元の材は軽さと杢目からしてヒッコリーのように思います。それを竹の様な節を削り出し、端正な大曲のステッキに仕立て上げております。


グリップの先端とカラーにはスターリングシルバー。
とても見づらいですが、ホールマークは1919年、ロンドンでしょう。
メーカーズマークは「J.H」。1895年創業のシルバースミス、J.Howell&Coのものと思われます。

体重をかければ全体にややしなりますが、しっかりとした印象です。
石突部分には真鍮製のキャップがかぶせられており、今のところしっかりついております。ただ、実際にご使用になる際は、ゴムのキャップをかぶせていただいたほうがよろしいかもしれません。



このステッキが作られた1919年、英国王はヴィクトリア女王の息子エドワード7世が1910年に亡くなり、その後のジョージ5世の治世下でした。
1918年に第一次大戦が終わり、英国は戦勝国ではありましたが、戦争のために疲弊し、また植民地でも反英独立運動が活発になってその統制は弱まり、
ヴィクトリア時代からの「大英帝国」の繁栄は終わりを告げつつありました。

そんな変換の時期でしたが、紳士はまだまだステッキを持ち、ロンドンの街を歩いていたのでしょう。期待よりも不安が大きい時代、何かに頼るようにステッキを握っていたのかもしれません。


現代にも同じことがいえるような気がいたします。
第一次大戦後の英国紳士を護ってきた誇り高い1本を、貴方のお手元で愛でてみてはいかがでしょうか。



◆England
◆London
◆推定製造年代:c.1919年
◆素材:木(おそらくヒッコリー)・スターリングシルバー・真鍮
◆サイズ:長さ約85.3cm グリップ幅約12cm
◆重量:188g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、アタリや擦れ、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。



Todd Lowrey Antiques
by d+A