フランスヴィンテージ、ブルトンスタイルのミニチュアチェア。
フランスから来た、小さくも重厚感あふれるミニチュアチェアのご紹介です。
少し変わった意匠は「ブルトンスタイル」とよばれるもの。
「Breton/ブルトン」とはブルトン人、ブルトン語(ブルターニュ地方の住民・言葉)のこと。そして広義としてその地方のもの、という意味を持ちます。
フランスの北西端に位置するブルターニュ地方は、昔からフランス文化圏とは異なり、古代ケルトの流れを汲む独特の文化を持っています。19世紀の終わり頃には、ウォールナット及びオーク材を彫刻的に掘り出した家具が多く製造されました。
洗練されたフランスの意匠とは対極にあるような、重厚かつどこか素朴な家具は、働く人々やブルターニュの自然をモチーフをしたものが多く見られます。
そしてまた特徴的なモチーフは円盤状の透かし彫り。
これは常に海とともにあったブルターニュの人々が強くシンパシーをもつ「船の舵輪」をモチーフにしているといわれています。
今回ご紹介するミニチュアチェアの意匠もそのうちの一つ。
まず目に入るのは、背もたれと座面前板に施された丸い透かし彫り。
これがブルトンスタイル、「船の舵輪」をモチーフにしたものです。他にも、背もたれ上部(トップレイル)部分はきれいなカーブを描き、細かな挽物細工が並べられ、重厚でありながら繊細な雰囲気が感じられます。フォルムとしてはホールチェア(玄関にホールに置く椅子)のようですが、座面部分が収納部になっており、実用性も兼ね備えています。
このような現物の椅子があったかどうかは不明ですが、ミニチュアとして手元に置く場合、小物入れとしてお愉しみいただける嬉しい特徴となっています。
材はオーク。
ケルト文化では大変重要な木で、ケルトの祭祀であるドルイドはオークの森を聖なる地としました。古代ケルトの流れを汲むブルトンスタイルの家具をオーク材でつくることは、格別なこだわりがあったのではないでしょうか。
高さ約21cmの小さな椅子は、そのままディスプレイいただいても格別な存在感を放ちます。座面を活かした小物入れや、大切なドールやベアのスペシャルな指定席にしていただいてもよろしいかもしれません。
ケルトとブルターニュ、それぞれの文化や歴史の流れを内に秘めた、ヴィンテージ・ミニチュア・チェアをどうぞお楽しみください。
◆France
◆推定製造年代:c.1950-1970年代頃
◆主素材:オーク材
◆サイズ:幅約12.4cm 奥行き約10cm 高さ約21.8cm
◆収納部サイズ:開口部の台形 長い辺約8.7 短い辺約7.3 奥行約4.5 /収納部深さ約6.2cm
◆重量:205g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、材の凹みや歪み等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A