英国アンティーク、1918年刻印オフィサー用ポケットコンパス。
英国のアンティークフェアで手に入れた、端正なフォルムをしたコンパスのご紹介です。
まず、コンパス底面には以下の刻印がみられます。
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1918
この矢印は「ブロードアロー/Broad Arrow」とよばれるマークです。もともとはヨーロッパにおいて紋章としてつかわれていた「pheon/小槍」などが元といわれており、17世紀末頃から英国の官有物にマークとしてつけられるようになりました。
主として軍用でしたが、他の用途にも使われることがあったようです。植民地時代のアメリカやオーストラリアにおいても使われており、軍や官庁などのサーベイマーカーとしての使用がみられます。ただ、英国において機器や備品関係などでこのブロードアローがついているものであれば、まずは英国軍のものであったといってもよいでしょう。
そしてタイプとしてはオフィサー(将校)用のポケットコンパスであり、マーチングコンパス(行軍用)と比べ機能はとてもシンプル。Bowと呼ばれるリングの付け根部分のリリースボタンを押せば、蓋はパカリと開き文字盤が現れます。
このタイプは「transit lock」と呼ばれる仕組みが使われており、蓋を閉めることで文字盤にロックがかかります。このことから開けているときでも蓋を半分閉めるようにすることで文字盤が固定されます。そして蓋を一度閉めて開けた瞬間は前回閉じたときのままの場所で文字盤が止まっています。軽く振れば盤はゆらりと回り始め、北へ針が向かうような仕組みとなっています。
なお、「transit lock」はこのタイプに使われていた仕様ですが、開いたときに止まっている現象は私がこの現品で確認したものであり、正当な仕様かどうかは確認できておりませんので、申し訳ございませんがその旨ご了承ください。
この品物にほかに刻印はみられませんが、デザインとして「MK VI」とよばれるデザインパターンと酷似しています。
英国軍のオフィサー(将校)用のポケットコンパスとして代表的なものは「Mark V」と「Mark VI」であり、初期の「Mark V」は1905年から供給が始まっていました。「Mark VI」は1914年から1918年まで。作っていたメーカーは20社以上あり、メーカー名が刻印されているものもあれば、ないものもありました。それなりに多くの数が製造されたと推測いたしますが、その後の情勢を鑑みるにあたり、良い状態で残っているものはそれほど多くはないのではないでしょうか。
ふたつの大戦をくぐりぬけてきたコンパスは、優雅ささえ感じるシンプルで美しいフォルムをしています。
実際に触ってみると、意外とがっしりとしたタフな印象も持っており、つるりとした感触は手のひらで愛でつつ、懐に収めたくなる魅力に満ちています。
100年を超えてきた機能美の結晶を、ぜひ貴方のお手元でご鑑賞ください。
◆England
◆推定製造年代:c.1918年
◆素材:金属、ガラス、他
◆サイズ:本体直径約4.6cm 厚み約1.4cm
◆重量:63g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色などがみられますが、全体のコンディションは良好です。
*開閉はスムーズです。非常にきっちりと閉まります。
*コンパスは電磁波などに影響を受けやすいのでご注意ください。狂ってしまった場合は、簡単な直し方がネットなどで紹介されていますのでお試しください。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A