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歳月の影を纏う量るための皿/ Antique Victorian Brass Scales Dish

 英国アンティーク、秤用の皿。















18世紀からの歴史を持つ「Henry Pooley and Son/ヘンリー・プーリー&ソン」。


あまりにも長い歴史を持つ同社は1790年頃にヘンリー・プーリーの父親(同名か違う名前かは不明)が天秤の製造を始めたことが起源となります。1830年には息子のヘンリー・プーリーが事業に参加。1835年頃からは台秤の製造を開始。このころ本拠地はリバプールにありました。やがて英国において同社は鉄道貨物ヤードなどの計量機の製造を事実上独占し、当時最大の計量機メーカーとなります。いくつかの機械はゴールドラッシュの時代(1848-1850年代半ば)にアメリカへ輸送され、ひとつの時代を築き上げました。

1896年、主要工場がリバプールからスタッフォードシャーのキッズグローブに移転し、本社はバーミンガムに移転します。1913年にはW & T Avery(後のGEC Avery:現存している会社です) に買収されました。



参考:Grace's Guide to British Industrial History

Henry Pooley and Sonの頁

https://www.gracesguide.co.uk/Henry_Pooley_and_Son



いきなり計量機メーカーの歴史から始めてしまいましたが、今回ご紹介するお品物は、前述の「ヘンリー・プーリー&ソン」による秤用のお皿です。台秤などに乗せて使っていたものと思われます。

直径約14cmほどの平たいお皿。真鍮製で、得も言われぬ風情を醸し出しております。中央には以下の文字がみられます。


PATENTEES

H.POOLEY & SON

LIVERPOOL


ヘンリー・プーリー&ソンの歴史から、同社がリバプールにあったのは1896年まで。よってこのお皿はそれ以前のものと言ってよいでしょう。

そしてロゴの上にはクラウンのマーク、VR 5|4の刻印がみられます。5|4の意味は不明ですが、クラウンとVRは「Victoria Regina」=ヴィクトリア女王の意味と思われます。18世紀からの歴史を持つ同社ですが、1837年から始まるヴィクトリア時代に作られたと推測いたします。

全体に変色がみられますが、よくみればまるで影の三日月のようにエッジに円弧の暗い部分があります。かなり長い歳月、同じ場所でじっと置かれていたのかもしれません。

天秤、もしくは台秤用の皿ですので、底面はやや丸くなっておりますが、比較的フラットなため、テーブルにおいてもそこそこ安定します。小物入れやコインディッシュなどに便利にお使いいただけることと思います。



百年は確実、ひょっとして150年以上を過ごしてきたシンプルな丸皿。


小国で厳しかった18世紀の英国、新興国のゴールドラッシュ、19世紀ヴィクトリア時代の栄華・・・。様々な歴史を傍観してきた古びた真鍮の皿を、貴方のお手元でまた新たな時を過ごさせてみるのはいかがでしょうか。




◆England

◆推定製造年代:c.1837-1896年

◆素材:真鍮

◆サイズ:直径約14-14.2cm 高さ約2cm

◆重量:94g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆や変色、歪み等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*平滑面に置く設定ではないため、底面はなだらかに丸くなっていますが、置けばそこそこ安定します。

*もともとは秤に乗せて使うものですので、比較的軽く、薄手の皿となります。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。


Todd Lowrey Antiques

by d+A