英国アンティーク、古い本。
古く壮麗な本を手に入れました。
厚さ4cm強の堂々とした設えで、背表紙と表紙隅はレザー、表紙と見返しはマーブル紙、小口天地はぐるりと同じくマーブル模様が施された凝った造り。このマーブル模様(紙)は17世紀以降の製本から見返しなどにしばしば使われるようになったものです。
この本で特に秀逸なのが背表紙。背バンドといわれるこぶのように突起した部分をもつ綴じ方で、革に施された金の箔押しと共に重厚感漂う仕上がりとなっています。
本のタイトルは以下の通り。
"The York Journal of Convocation 1915-1916"
「Convocation」とはラテン語の動詞 convokeを語源とし、(会議・議会の)召集、(英国国教の)大主教区会議、(米国聖公会の)主教区会議、もしくは(大学の)評議会の意味となります。この本自体は、内部に「Church」の単語も散見されることから、「ヨーク大主教区会議記録」の内容なのではないかと思います。1915年2月10日から始まり、1916年3月3日までの記録が連綿と連綿とつづられています。
また、後ろの見返しにはシールが貼られており、以下の文字が見られます。
(ジョージ5世の紋章)
by Appontment
ARTHUR ANDERSON
Court Stationer
44, Coney St., YORK
内容としてはジョージ五世(在位1910-1936)からロイヤルワラントを受けた「ARTHUR ANDERSON」という「Court Stationer(おそらく法律関係の書籍商)」が取り扱っていた本、ということを表しているかと思います。
住所は「ヨーク、コニーストリート44番地」。
ヨークは古い古い街ですが、この住所は町の中心部にあるヨーク大聖堂にほど近いところとなり、かつて城壁に囲まれていた内部に在った場所となります。
娯楽として読む本ではなく、それを仕事とする人々のみが扱ったせいでしょうか、状態はとてもよく、古い本にありがちな書き込みやページの壊れ等はほとんどみられません。
ただ、表紙や背表紙の革の擦れが、何度も何度も本棚から出し入れされたことを伺わせ、かつてどんな人々がどんな場所でこの本を読んだのだろう・・・という想像を掻き立てられます。
100年以上前、古都ヨークの記録をしたためた1冊の本。
貴方の本棚のマスコットに、ひっそりと置いておくのはいかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年代:c.1916年
◆素材:紙、革
◆サイズ:約15×21.3cm 厚み約4.3cm
◆重量:1010g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A