英国アンティーク、木軸のディップペン。
英国のマーケットで手に入れたディップペン。
シックな木軸にとめられた金属部分と、外せるペン先で出来ています。本体ペン軸金属部分とペン先には以下の文字が刻まれています。
ペン軸
M.MYERS
& SON LTD
BIRMINGHAM
ペン先
PERRY & CO
No 603
BIRMINGHAM
まず、イングランド、バーミンガムはペン産業において非常に大きな役割を持っていた都市です。19世紀にバーミンガム中心部の北西部地域、「Jewellery Quarter/ジュエリークォーター」と呼ばれる地域で発達しました。世界のペン貿易の中心地であり、ほとんどのディップ ペンがそこで生産されていたといいます。ジュエリークォーターの最盛期には、約100のペン工場があり、約8,000人もの職人を雇用していました。
そんな背景をふまえ、ペン軸からみてみましょう。
M.MYERS & SON/M.マイヤーズ&サンは、1837年、バーミンガムで設立された事務用品メーカーです。1850年代には専用工場を持ち、1939年にはさらに手を広げて移転をします。1980年代くらいまでは「マイヤーズ&サン」の名前で画材や事務用品、ペンを製造していたようですが、現在では他の名前に変わっているようです。
次にペン先。
まず「James Perry & Co」が、教師であったJames Perryによって1824年にマンチェスターで設立され、その後まもなくロンドンに移転しました。その後、ロンドンでジョサイア・メイソンという高級ペンメーカーがペリーのペン先を購入。それがきっかけで、ペリーのペン先をメイソンのバーミンガム工場で製造することとなります。1847年から1866年の間に「James Perry & Co」の名前は「Perry & Co」に変更されました。1876年にはペリーとメイソンの会社が別のペン製造業者と合併され、「Perry & Co Ltd」が設立され、世界最大のペン製造業者になります。そして「Perry & Co Ltd」は、1961年に会社が「British Pens」に売却されるまで、ペンの製造を続けました。
・・・ということで、「Perry & Co」をだけならばおそらく1847年から1876年までの間、もし「LTD」が省略されているなら1876年から1961年の間に作られたものである、と思われます。100年以上もスパンがあって驚きですが、なかなか特定できないことをお許しください。
以上の情報や現品の雰囲気から、おそらくではありますが、19世紀後半から1930年代くらいまでのお品物なのかな、と推測いたします。
かつてペン産業の聖地であったバーミンガムから来た、古いディップペン。ペン先とペン軸、それぞれに誇り高くメーカー名を刻み、21世紀の日本でひっそりとまた使われる時をまっています。ペン先は着け外しが可能で、日本で一般的に販売されているペン先「丸ペン」が装着可能です。
是非あなたのお手元で、バーミンガムのペンの手触りをお確かめください。
◆England
◆推定製造年代:c.ペン軸 19世紀後半から1930年代くらいまで/ペン先 1847-1961年
◆素材:木、金属
◆ペン先装着時サイズ:長さ約18.7cm
◆ペン先装着時重量:4g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*ペン先は外れます。日本で一般的に販売されているペン先「丸ペン」が装着可能です。
*写真ではNIKKOの丸ペンを装着しています。(NIKKOの丸ペンは付属しません)
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A