英国アンティーク、マホガニー材に埋め込まれたトラベルコンパス。
英国の大きなアンティークフェア。
屋外にも沢山のディーラーが品物を並べておりますが、大きな倉庫のような場所に、ジュエリーや、お値段が高目なアイテムを扱うディーラーが軒を連ねるところもあります。
その中の1軒。
沢山の望遠鏡や双眼鏡、コンパスや機器類など「メカもの」を扱う小さなストールがあります。店主は小柄な眼鏡のお兄さん。他の店主に比べれば、年齢的には若いものの、いざ話し出せば品物についての蘊蓄がとまらない、愛すべき、そして信頼すべき店主です。上品な英国人のご夫婦との長い長い話が終わったのちに、やっと店主と話す順番が回ってきた私たち。(ご夫妻は何やら大きなメカものを買ってゆきました)
ずっと気になっていた、ガラスケースの中にあったこのコンパスをみせてもらいました。
「これは良いよ。19世紀前半のもの。マホガニー材、手彫り、トラベル用・・。ほら、ここがストッパーになるから。」
つぶやきつつ、ケースから取り出しつつ、開けて見せてくれました。
わずか4cm弱の小さな矩形、ミニマムかついまだ現役な金具。
無垢マホガニー材を削り、小さなコンパスを嵌めこみ、無垢材の蓋をつけたものであり、箱に入っている、というよりは木にコンパスが埋めてある、という方が良いかもしれません。
時を経たマホガニーの杢目が小さな面積ながらも迫力満点で、握りしめればしっくりと手に馴染みます。マホガニー材の片面は隅を切ったデザインで、これがあるとどちら側が蓋か、一目でわかるという仕掛けとなっています。
蓋を開けて手前左側にはごく小さな金属の部品が仕込まれており、そこをぎゅっと押せば、コンパス内部の金具と連動して、コンパス針を留めておくことができます。
つまり、ストッパーということ。ごくごく小さくて爪先で操作する感じになりますが、そこがまた心をくすぐります。
マホガニー材に護られ、200年近くを過ごしてきた小さなコンパス。
掌の中で震える磁針を眺めながら、遥かアーリーヴィクトリアンの景色へと想いを馳せてみてはいかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年代:c.1830-1850年代頃
◆素材:木(マホガニー)、金属、紙
◆サイズ:幅約3.9cm 奥行き約4cm 高さ約1.5cm
◆重量:17g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*現時点でコンパスはほぼ正しい方角を指します。
*コンパスは電子機器などの影響を受けやすいので、狂ってしまった場合は磁石で修正することができます。
*蓋は任意の位置でとまります。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A