英国老舗窯元シェリー製、小さなジャグ。
眩しいほどの白い陶肌に配された、しなやかに揺れる黄色い小花が印象的な小さなジャグ。
底には以下の文字が見られます。
FINE BONE CHINA
Shelley
ENGLAND
まず、このジャグはシェリー窯のお品物。
シェリー窯の歴史はストークオントレントの近郊、フォーリーと呼ばれた地域で1822年に興された工房が始まり。当初はその地域そのまま「フォーリー」というブランド名でした。1852年ジョン・ワイルマンが参画し、工房は一気に拡大します。このころから「ワイルマン」名の製品も生産しています。そこにジェームズ・B・シェリーが1862年から働きだし、彼の息子のパーシーとともに工房を発展させます。彼らは最終的にワイルマンの経営にも深く関わる様になり、ついに1910年に窯名をワイルマンからシェリーへと変更します。しかし1971年にロイヤルドルトングループに吸収合併され、その歴史に幕を下ろしました。
*シェリーの歴史はかなり入り組んでおり、諸説ございますのでご了承ください。
また、シェリーコレクターズクラブの解説によれば、このバックスタンプは1938-1966年に使われていたものであることがわかります。
参考:シェリーとワイルマンのコレクターズクラブ
バックスタンプのページ
そして、印象的な黄色い小花は何の花なのでしょうか。
このジャグ自体にデザイン名のスタンプはありませんが、調べたところこのパターンはシェリーの「2507」番、「GOLDEN BROOM」であることがわかりました。
「broom」は「ほうき」「エニシダ」の意味ですので、「黄金色のエニシダ」という意味かと思います。エニシダはヨーロッパ中西部原産のマメ科の低木で、小さな蝶々のような黄色もしくは白色の花をたわわに咲かせます。日本名は「金雀枝」や「金雀花」と書いてエニシダと読みます。
英国では、エニシダの枝を集めほうきが作られることから、魔女がエニシダの枝箒を好み、真夜中に箒にまたがって飛行すると信じられていました。植物の名前とそれを使って作っていたものが同じ名前というのも、なかなか興味深いように思います。
「GOLDEN BROOM 」のカップアンドソーサーはネットにおいて散見されますが、ジャグはなかなか珍しいと思います。
比較的モダンなフォルムに、エニシダの柔らかさがよく映え、どこから見ても絵になる完成度はシェリー窯ならでは。
花を飾ろうか、それとも水差しとして使おうか。
日々の暮らしを明るく華やかに彩ってくれそうな、英国アンティークの美しい小品です。
◆England
◆推定製造年代:c.1938-1966年頃
◆素材:陶器
◆サイズ:幅約11.5cm 奥行き約7.8cm 高さ約10.5cm
◆重量:141g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、わずかに小傷がみられますが、ワレやカケはなく、とても良いコンディションです。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A