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Wednesday

愛しい女性のための宝石箱 / Antique Gilt Bronze Coffret a Bijoux

 フランスアンティーク、ギルトブロンズの宝石箱/コフレ・ド・ビジュー。


















「Coffret a Bijoux/コフレ・ド・ビジュー」とは、フランス語で「宝石箱」のこと。


今回ご紹介するコフレ・ド・ビジューは、幅約11cm強とややこぶりながらも、美しい存在感をもつお品物です。


底面には以下の文字が見られます。


ORFEVRERIE DILECTA

DEPOSE

60

FABRICATION-FRANCAISE



まず「FABRICATION-FRANCAISE」とは「製造-フランス」の意味。

「DEPOSE」はフランスもしくはイタリアでみられる表現で「意匠登録」のような意味。

そして「ORFEVRERIE」とは英語でいえば「SILVERSMITH」ですので「金属細工士」もしくは「金属細工工房」のような意味かと思います。

「DILECTA」はおそらく固有名詞で、工房の名前だったのではないでしょうか。

「ORFEVRERIE DILECTA」についての情報はほとんど調べることはできませんでしたが、この刻印を持ち、アールヌーヴォー期から1930年代くらいまでのものとされる宝石箱やジャルディニエールを市場で見ることが出来ます。ちなみに「DILECTA/ディーレクタ」はラテン語で「愛しい女性」の意味となります。



正直に申しまして、このタイプのコフレ・ド・ビジューは、フランスアンティークでは、たまに見かけることがございます。材はギルトブロンズもしくは真鍮、大きさが若干違っていたり、細かな飾りが異なってはおりますが、家具のボンベ型コモードにそっくりのふっくらとした横長フォルムのものが多いようです。それだけ、宝石箱として定番となるほど愛されたフォルムだったといえるのではないでしょうか。


ふっくらとしたシェイプ、カブリオレレッグを持つ小さな宝石箱を、本物のコモードの上に置くことが、貴婦人の流行だったのかもしれません。



そんな想像を掻き立てる、このコフレ・ド・ビジュー。


表面にはロココの意匠であるロカイユやアカンサスが施され、蓋は象徴的なサークルが絶妙な曲線と共に配されています。持てばずっしりと重く、重厚感と高級感が感じられます。


内部はピンクのシルクサテン張り。エッジのおさまりは同色のブレード(飾り紐)が廻されています。

歳月により多少の傷みはございますが、クッションが詰まった贅沢なボタン張りは優雅で美しく、どんな宝飾品が納められていたのか、思わず想像せずにはいられません。


優雅なフォルム、凝った装飾、ずっしりとした重み。

重ねてきた歳月の確かな証を纏った本物のフランスアンティークの逸品を、是非ご鑑賞ください。



◆France

◆推定製造年代:c.1910-1930年代頃

◆素材:ギルトブロンズ、布

◆サイズ(外寸):幅約11.4cm 奥行き約7.5cm 高さ約8cm

◆サイズ(内寸最大部分):奥行き約6cm 幅約10.5cm 本体深さ約7.5cm

◆重量:515g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。



Todd Lowrey Antiques

by d+A