英国アンティーク、ハンドインクブロッター。
ブロッター/ Blotter、ご存じでしょうか。
正式にはハンドインクブロッター。ディップペンや万年筆などで書いた筆跡の上を手で転がして、余分なインクを吸い取るための道具のことです。
歴史は古く、大きくとらえれば「インクで書く」と同時に「書いた後に吸い取る」ツールは存在していました。アフリカでは砂と粘土と太陽が、中世の修道院ではイカの骨から作られた粉が使用されていたといわれています。
そして1800年代初頭には、ハンドインクブロッターが登場しました。木、石、金属、磁器、またはガラスで作られており、小さなハンドル、湾曲したベース、テキストの上で揺すって余分なインクを取り除くことができるフェルトの底を備えていました。1800年代半ばまでに、紙の発達により紙がフェルトに取って代わられることが多くなりました。
そして20世紀半ばのボールペンの登場により、ハンドインクブロッターの市場は急速に縮小することになります。
そんな歴史をもつブロッター。
今回ご紹介するのは、艶めくマホガニー材と特徴的な犬のハンドルがついた、英国からの逸品です。犬は少々怖い形相で、何かに向かって吠え掛かっているようです。犬種は推測ですが、細身の体躯、小さめの耳、長い鼻、くるりと細長い尻尾から、グレイハウンドの一種かな、と思います。
そして犬種と犬の状態から、ハンティングに関連する品物ではないかと推測いたします。ハンティング好きな紳士の持ちものだったのかもしれません。時代は古く、ヴィクトリア時代中期1870年代頃のものと思われます。
犬のハンドルは回すと外すことが出来、吸い取り紙を交換することが出来ます。がっしりとしたネジと無垢材のマホガニーを堪能しながら紙を交換する行為は、なんとも贅沢な気持ちになるのではないでしょか。
文章を手で書くことが減った現代。でもだからこそ、趣味でカリギュラフィーをされる方がいたり、大切な方へのメッセージカードを書いたりすることは、必要な事ではなく、特別なこととしてとらえられるようになってきました。
ディップペンや万年筆で書き、丁寧にブロッターをかければ、貴方の言葉にさらに磨きをかけたような気持ちになることでしょう。もちろん印鑑の仕上げにもおすすめです。
英国アンティークの特別なひとしなを、貴方の日常に加えてみてはいかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年代:c.1870年代
◆素材:マホガニー、真鍮、他
◆サイズ:幅約16cm 奥行き約6.4cm 高さ約8cm
◆重量:453g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A