フランスアンティーク、パピエマシェのスナフボックス。
フランスからの小さなスナフボックスのご紹介です。
まず、スナフボックスとは、嗅ぎ煙草入れのこと。
歴史は古く、もともとはブラジルの先住民が煙草の葉を挽いて愉しんでおり、コロンブスの第2回新大陸航海の際に修道士がそれをもってスペインに帰国したことからヨーロッパに広まったとされています。18世紀になると嗅ぎ煙草は上流階級で好まれるものとなりました。「貴族の贅沢品」のイメージが強く、嗅ぎ煙草を入れておくための「Snuff Box/スナフボックス/嗅ぎ煙草入れ」は贅を凝らしたものも多く見受けられます。
そして描かれているのはルイ18世のポートレイト。
ルイ18世(1755-1824)。
ルイ16世の弟であり、フランス革命後はパリを逃れてドイツなど各地で亡命生活を送りました。反革命運動の旗手として各国へ援助を要請しつつ、ルイ16世の刑死を知ると、自らを摂政であると宣言。その後、ヴェローナに移り住み、ルイ16世の次男(長男は幼い頃病死)であるルイ17世が幽閉されたまま1792年10歳で病死すると、自らをルイ18世と称します。
その後各地を放浪しつつ駆け引きと謀議の日々を送り、ナポレオン帝政を横目に見つつワルシャワ、イェルガヴァ(現在のラトビア)、英国のエセックスやバッキンガム州にも滞在。
1812年、ナポレオン1世はロシア侵攻に失敗。ナポレオン1世は退位し、1814年には第一次王政復古とよばれるルイ18世の治世が始まりました。彼にしてみれば長年夢見た王座を60歳にして手に入れることとなったのでした。
この時点で既に肥満をはじめ様々な病気に悩まされていたルイ18世。
スナフボックスのポートレイトの彼は、胸元にマルタ十字、フルール・ド・リス、聖霊の象徴たる鳩の組み合わせで作られた「聖霊騎士団勲章/Ordre du Saint-Esprit」をつけつつも、なんだか表情が冴えないように思えます。長年の放浪生活と政治的取引に疲れ果てていたのかもしれません。
最後に、素材である「パピエマシェ(パピエマシュとも)/Papier mache」とは、フランスで1720年代頃から使われ始めた素材・技法のこと。
紙パルプに水、膠、スターチや腐敗を防ぐ為の塩、もしくはチョーク(白亜)や時に砂などが加えられ、型に入れ乾燥させたり焼き上げたりするもので、箱やトレイなどの小物から、後にテーブルや椅子などの家具にまで使われました。基本的に黒い製品が主流であり、これにペイントや象嵌、蒔絵などが施すことにより芸術性が高まり、ヨーロッパで流行していた東洋趣味ともあいまって、かなりな需要があったようです。
軽いわりには丈夫だったのでスナフボックスとしても人気の素材でした。蓋部分に象嵌をはめ込んだり、今回のお品物のように絵を描いたりして、様々なバリエーションを楽しんでいたようです。
フランスの絶対王政。革命。ナポレオン、そしてその後。
激しくあでやかな歴史の一幕に巻き込まれた男のポートレイトを、手のひらに収まる小箱で鑑賞する。
アンティークファンならではの醍醐味をぜひご体験ください。
◆France
◆推定製造年代:c.19世紀(1814年以降)
◆素材:パピエマシェ
◆サイズ:幅約5cm 奥行き約8.2cm 高さ約5cm
◆重量:20g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。
*蓋を開けた時の内側エッジには少しカケがみられます。外側にカケはみあたりません。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A











