英国ヴィンテージ、真鍮製のレターオープナー。
様々な文具の中で、レターオープナーは「手紙の封を切る」ための道具として、なかなかに贅沢な品物。
鋭いカッターナイフで封を開ければ、鋭いがゆえにしばしば違う方向に紙を切ってしまうのは、皆様も経験されたことがあるのではないでしょうか。
レターオープナーは鋭くないがゆえに、折れ曲がったところを柔らかく破り、心地よい開封のお手伝いをしてくれる、アナログな道具。
今回ご紹介するのは、英国のマーケットで手に入れたアナログなレターオープナーです。
鈍い金色の輝きをもつ真鍮製で、トップには小さな妖精がちんまり座り、以下の文字が彫られています。
EXMOOR
PIXIE
「Exmoor/エクスムーア」とは、イングランド、サマセット州のあたりにひろがるムーアで、国立公園にも指定されている場所。
この「ムーア」とは英国各地にみられる地形のことで、背の低い草木のみが広がる土地のこと。
木々が茂る森や林ではなく、見通しがきくほどの低木や草で覆われた地形は多くが緩やかな丘が連なり、独特の景観をつくりだすことで知られています。
そして「PIXIE/ピクシー」とは、イングランドのムーアや森、洞窟などに出没する小さな妖精のこと。
夜に森で踊ることを好み、彼らの踊りにでくわした旅人は一緒に踊らされ時間の観念をなくしてしまうという伝説があります。そうならないための方法は上着を裏返しに着ることとか。
貧しいものの為に仕事をしてくれたり、怠け者をみるとつねったりする良い面も持っています。
一方で、人の赤ん坊を盗んだり、取り替え子(チェンジリング)を行うともいいます。
そうならないためヴィクトリア時代までは、さらわれぬ様に赤ん坊をベビーベッドにくくりつける風習の地方もあったとか。
外観は諸説ありますが、一般的にはとがった頭と耳、幼児のような顔が特徴となっています。
数多いいイングランドの妖精伝説のなかでも、最も知られている妖精のひとつといえるでしょう。
そんなピクシーはイングランドの人々にとても愛されており、彼らをモチーフにした小物をよくみることができます。
つまり、この「EXMOOR PIXIE」とは、エクスムーアに棲むピクシーのこと。
エクスムーアのお土産物として作られたのではないでしょうか。
少しだけ先端が歪んでおりますが、手紙の封を開けるのに、かえって上手くいくこともあるくらいな歪み方に見えます。
ピクシーの悪戯として、大目に見ていただける方に使っていただければ、と思います・・・。
エクスムーアの荒涼とした大地から、小妖精と共にお届けいたします。
◆England
◆推定製造年代:c.1950-1970年代頃
◆素材:真鍮
◆サイズ:長さ約16.8cm
◆重量:29g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。
*先端が少し歪んでいます。詳細は画像にてご確認ください。
*刃物ではございませんがオープナーの機能として鋭い形状をしています。お取り扱いには十分ご注意ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。
Todd Lowrey Antiques
by d+A