英国のヴィンテージ、リンドップ社のチェス駒セット。
「LINDOP/リンドップ」社は、1855年、英国マンチェスターにおいて、William Lindopが創業した会社。
主として釣り竿やビリヤード等のスポーツ用品と、チェスやダイスなどのゲーム用品を製造販売していたようです。
後にロンドン、ブリストルへと支店を広げていきましたが、現時点では既に会社は存続はしておりません。
さて、今回ご紹介するチェス駒セット。
蓋には紙ラベルで「 LINDOP'S BOXWOOD CHESSMEN」の文字がみられます。
チェス駒=チェスメンには様々なスタイルがあります。
ロンドンのセントジョージ・チェスクラブで1840年頃から使われていた駒のデザインであったことから名づけられたセントジョージスタイル。
チェスゲームで人気があったパリのカフェ・デ・ラ・リージェンス/Cafe de la Regenceにちなんで名づけられたリージェンシースタイル。
そしてこのチェスメンは「スタントン・スタイル」です。
これは現在も公式に使われている駒の形で、第一回ロンドン国際大会・1851年から使われているもの。
それまではまちまちの形をしたチェス駒が使われて、よく問題が起こっていたそうです。
この駒の形に決めたのが、当時世界最強プレイヤーといわれていた英国人Howard Staunton/ハワード・スタントン(1810-1874)。
それ以来、このようなスタイル・形をスタントンスタイルとよぶようになりました。
現在、最もメジャーなスタイルといってもよいでしょう。
緻密な杢目のボックスウッドから掘り出された駒は、キングの高さが約6.2cm。
チェスメンとしてはややこぶりですが、スタンダードなサイズだと思われます。
セットされた箱は松系の軽い材で出来ており、上蓋をスライドするシンプルなつくり。
チェスメンを入れる箱としては一般的なフォルムで仕切り板も残っており、白黒の駒を分けていれることができます。
ラベルには「made in France」の文字がございますので、リンドップ社がフランスで作らせていたものでしょう。
「ebonised/エボナイズド」とは黒い仕上げの事で、黒檀の英語名ebonyから来ています。
エボナイズド仕上げの家具や小物はヨーロッパにおいては高級で富裕層に好まれましたので、少しでも高級感をだそうかとしたのかもしれません。
また、箱の側面には手書きの文字がみられます。
DAVID J.RICE FROM ⅢB H.C.G.S.(?)
3 YEW TREE LANE ANNEX2
DUKINFIELD
CHESHIRE
イングランド、チェシャーにこのアドレスはまだ存在し、マップで見るとごく一般的な住宅地となっています。
そこに住むH.Cグラマースクール(学校名は特定できませんでした)、ⅢBクラスのDAVID J.RICE君がこのチェスメンの持ち主だったのかもしれません。
自分の住所と名前を書き、デイヴィッド君が大切にしていたであろうフランス製のチェスメン。
いったいどれほどの時間を彼はこの駒と共に過ごしていたのでしょうか。
様々なストーリーを秘めたヴィンテージのチェスメンを、今貴方にお届けいたします。
◆England Company /made in France
◆推定製造年代:c.1950-1970年代頃
◆素材:木(ボックスウッド)
◆外箱サイズ:幅約16.8cm 奥行き約8.4cm 高さ約5.9cm
◆キング駒サイズ:高さ約6.2cm 直径約2.6cm
◆ポーン駒サイズ:高さ約2.9cm 直径約1.7cm
◆重量:280g(駒をすべて入れた箱の重量)
◆在庫数:1セットのみ
【NOTE】
*チェス駒32ピースと外箱1点、セットでのお品物です。
*チェスボードは付属しません。
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色、材のワレ等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。
Todd Lowrey Antiques
by d+A