英国ヴィンテージ、トビージャグ。
トビー・ジャグの由来は18世紀に遡ります。
もともとはビール(もしくはエール)ジャグで、座って飲む男性の姿をかたどっており、三折り帽とフロックコート、パイプとなみなみとビールが入ったマグをもっている、というのが、お定まりのスタイル。
名前の由来は諸説あります。
18世紀のヨークシャーで、2000ガロン(1ガロン約4.5リットルとすると9000リットル!!?)ものエールを飲み干したといわれるToby Fillpot(またはPhilpot)をモデルとしたというものがひとつ。
他には、シェークスピアの12夜/Twelfth Nightにでてくる大酒のみのサー・トビー・ベルチ/Sir Toby Belchからの名前、という説もございます。
どちらにしても、モデルは大酒のみ。
18世紀ころから焼き物が盛んだったスタッフォードシャーで作られるようになり、とても人気となりました。
もともとはビールを飲むジョッキだったらしいのですが、実用と言うよりは装飾的なものであるため、小さなものも作られるようになり、ミルクピッチャーや、ディスプレイ用のセットなどへと広がっていったものと思われます。
その由来があるせいか、顔だけをかたどった、トビーではない、他の人物のものも「トビー・ジャグ」とよばれます。
ロイヤルドルトンやベスウィックなどの窯元も多くのトビージャグを生産してきました。
文豪チャールズ・ディケンズの登場人物を揃えたディケンズ・シリーズのトビー・ジャグなどは、コレクターの醍醐味ともいえるでしょう。
今回ご紹介するトビー・ジャグは高さ約17cmの大きめサイズ。
片手にパイプはお約束ですが、ジャグは持っておらず、二匹の犬を従えております。
底面には以下の文字がみられます。
Roy Kirkham Pottery
MADE IN Staffordshire
HAND PAINTED
ENGLAND
SQUIRE
Roy Kirkham/ロイ カークハムとは、スタッフォードシャーで1970年に創業した窯元。
事業開始当初はキャラクタージャグやフィギュアを製造していましたが、その後はファイン・ボーン・チャイナを主力とする方針に変え、
マグカップをはじめ日常使いが出来る美しい食器を現在でも製造・販売しています。
ロイ カークハム オフィシャルサイト(英語版)
*キャラクタージャグやフィギュアは、現在は販売していないようです。
また、タイトルの「SQUIRE/スクワイア」とは、(昔の、英国の地方の)大地主のこと。
なるほど、いかにも大地主的な風格に満ちています。
1980年代頃に、ロイ カークハムは多くのキャラクター的なトビージャグを製造しており、それはシリーズとなってコレクタブルな人気があったようです。
宿屋の主人、水夫、羊飼いやアップノッカー(朝、外から窓を叩いて起こす人)等々。
この大地主の旦那様も、そのひとつなのでしょう。
グリーンのハットをかぶり、品の良いお顔立ちの旦那様。
ブラウンのコートにイエローのベスト、胸には花を飾り、躾の行き届いた犬を二匹従えて。
足元は黒のブーツですので、領地の見回り中なのかもしれません。
そのままディスプレイしていただいてもよいですし、大きめで少し重量もあるので、定規などのスタンドにしていただいてもよろしいかもしれません。
英国から来た、大地主の旦那様を貴方なりの方法でおもてなししてみてはいかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年代:c.1980年代頃
◆素材:陶器
◆サイズ:幅約10cm 奥行き約11.5cm 高さ約17cm
◆重量:402g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですが、とても良いコンディションです。
*欠けやヒビ、目立つ汚れはみられません。
*わずかに製造時からと思われるスポッツ(極小の黒点)や接地面の汚れがみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。
Todd Lowrey Antiques
by d+A