英国アンティーク、バロメーターパーツ。
「バロメーター/Barometer」とは気圧計・晴雨計のこと。
それが転じて、状態や程度を推し量る基準となるもの、指標という意味ももつようになりました。気圧の変化は天気と密接な関係があるので、気圧計と晴雨計(せいうけい)は同じものであることが多いのです。
今回ご紹介するバロメーターパーツは、19世紀英国のお品物。
このように、下部に丸いバロメーターを配し、上部中央に温度計(このパーツでは既に失われていますが)を嵌めこんだ壁掛けタイプが、19世紀後半に大層流行しました。大きなものは1m以上にもなり、実用性を兼ねた壁面装飾としてかなり人気だったようです。
中心部の気圧計は、なかのバネを見る限り、1843年フランスのルシアン・バイディが考案した「アネロイド気圧計」と思われます。本来はここにガラスカバーがつき、外にツマミ、中にツマミと連動した針があり、自分で動かせるようになっていました。
使い方としては、まず、現在の天気が晴れの時は、「Fair/晴れ」のところに針を合わせます。自分では動かせない、カバーの内側にあるもう1本の針が、「Rain」の方にふれていたら天気は下り坂。「Very Dry」の方にふれていれば、このまま晴れ、かもっとよいお天気になる、という仕組みです。
バロメーター部分の背面には「MADE IN GERMANY」の文字がみられますので、メカ部分はドイツ製、そしてケース部分は英国製と思われます。凝った木彫刻やエナメル仕上げの文字盤などを組み合わせ、中産階級や富裕層に向けて販売していたのでしょう。
なお、今回のお品物はあくまで「パーツ」です。
英国のアンティークマーケットで、馴染みのあるディーラーがメカ類パーツを一山販売しておりましたので、面白いな、と思って手に入れてきました。
既に本来の機能は失われていると思われますが、独特の意匠や凝った木彫刻の存在感は抜群。壁面のディスプレイやアートワークなどにご使用いただければと思います。
100年以上前、日々覗き込み、天気を読んだ人々がいた。
その確かな名残を感じてください。
◆England/Germany
◆推定製造年代:c.19世紀
◆素材:木、金属、他
◆サイズ幅約18.2cm 高さ約35cm 厚み約4cm
◆在庫数:1点のみ
◆重量:577g
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色、材の欠けや欠損がみられます。
*気圧計の動作保証はございません。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A