英国アンティーク、小型折りたたみ式定規。
英国のアンティークマーケットで手に入れた、小型折りたたみ式定規のご紹介です。
このような定規は、当店では「J.Rabone & Sons(後年はRabone)」のお品物を多くご紹介してきましたが、今回の定規は刻まれた名前が異なります。
PROLIFIC
SHEFFIELD
SHEFFIELD/シェフィールドはイングランドの工業都市ですが、「PROLIFIC」はメーカー名なのでしょうか。
ちなみに「PROLIFIC」とは英語で「〔作家・芸術家などが〕多くの作品を残す、多作の、という意味となります。
「PROLIFIC」の名を持つ定規を製作していた事業者の特定はできませんでしたが、スピリットレベル(水平器)などに同様の表現が刻まれた、推定19世紀の品物は、英国のサイトで散見することができました。
少し違いますが「今治タオル」のように、「シェフィールドで多く作られていた」という、地域的なブランドのようなものかもしれない、とも思います。
品物をよく見てみましょう。
折りたたまれた状態では、木部は長さ3インチ(およそ8cm弱)なので、手のひらにすっぽり隠れるほどコンパクト。ぱたぱたと全て拡げると、12インチ(約30.5㎝)の長さまで測ることができます。
小さいながらもその製作精度と品質は格別。天然木の定規に合わせて真鍮製の蝶番やエンドキャップが上手く組み合わされており、指の腹で触ってみても天然木と金属パーツのコンビネーションとは思えぬほど、寸分の狂いやズレもなくフラットに仕上がっております。異なる動きを見せる2種類の蝶番は、何度稼働させてもその動きに変化はなく、敢えてゆったり動く様は信頼性の証しといえます。
定規の材にはボックスウッド/Boxwood が用いられています。ツゲの仲間で、緻密な杢目と安定性から、伸縮しにくく折れにくい材料として、古くからチェスの駒や定規類によく使われています。
さらに、折りたたまれた状態で、ひねりやずれなどの力が加わっても蝶番に負担がかからぬよう、裏面と側面をピンで噛み合わせるなど、とても心憎い配慮が施されています。
このあたりの仕組みは「J.Rabone & Sons」のものと同等に思います。
材の雰囲気や仕組みが同社の1900-1910年代頃の品物とよく似ていますので、推定製造年代は同等とさせていただきました。
長い年月を経て使い込まれ、細かい傷や多少の汚れなどがみられますが、反りもなく、まだまだ現役としてご使用いただけるとても良いお品物です。
手のひらにすっぽり隠れるほどコンパクトな大きさがさらに魅力的といえるのではないでしょうか。
当時の英国のクラフトマンシップに敬意を表しつつ、是非貴方のお手元でお役立てください。
◆England
◆推定製造年代:c.1900~1910年代頃
◆素材:真鍮、ボックスウッド
◆サイズ:(たたんだ状態)幅約1.7cm 長さ約8.2㎝ 厚さ約0.8cm
◆サイズ:(拡げた状態)長さ12inch 約30.5cm(正確には30.48cmと思われます)
◆重量:17g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、アタリ、金属部の経年変化などがみられます。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。
Todd Lowrey Antiques
by d+A