Search This Blog

Saturday

銀の百合をデスクに揃えて / Antique Silver Handle Magnifying Glass & Letter Opener Birmingham 1910

 英国アンティーク、シルバーハンドルのレターオープナー & 拡大鏡のセット。



















英国アンティークのシルバーハンドルのレターオープナーと拡大鏡のセットをご紹介します。

目を惹くのはハンドル部分の装飾。一見して「フルール・ド・リス/fleur-de-lis」の形をしており、とても珍しく華やかな印象を与えてくれます。

 
フランス王家の象徴でもあるフルールドリスは、直訳は「ユリの花」ですが、この意匠の場合はアイリスをさすとされています。かなり古くから多くの文明に共通して見られる意匠で、装飾的あるいは象徴的に用いられてきました。

例えば493年フランスのクローヴィス1世がキリスト教への改宗に際し、フランスの君主で最初にフルールドリスを王家の紋章に採用して宗教的純血の象徴としたという説や、中世イングランドでは12世紀中頃から、貴婦人の印章にフルールドリスと女性の像がしばしば見られるようになり、聖母マリアを暗示したものであったとか、調べれば枚挙にいとまがありません。いずれにしてもヨーロッパにおいては、かなり象徴的なフォルムで、どこか高貴な印象を持つ方が多いのではないかと思います。


今回ご紹介するデスクセットのハンドルは、そのフルールドリスがメインのモチーフであり、流れるような曲線と極小の小花の彫りも見られ、より優雅な雰囲気を纏っています。


持ち手の部分には数個のホールマークがみられます。英国アンティーク・シルバーはホールマークを読み解く愉しみがつきものです。ひとつづつ見ていきましょう。


左から、バーミンガムの錨、ライオンパサント、一番右のデイトレターは若干歪んでいますが小文字の「l」に見えます。これらは1910年、バーミンガムのアセイオフィスで認可を受けたスターリングシルバーであることを表しています。

メーカーズマークは 「C&N」と思われます。これは 「Crisford & Norris」のこと。 
「Crisford & Norris」とは、1896年創業、バーミンガムのVyse Streetに工房があったシルバースミス。ピンクッション等の小物を得意とし、斬新なデザインで評価を得ていたようです。


なお、拡大鏡のレンズ部分、そしてレターオープナーのブレード部分は後年に付け替えられたものと思われ、その部分はスターリングシルバーではございません。また、レンズ部分にごく微小のチップ(欠け)があることもお伝えしておきます。ご使用に差し支えは無いと思います。



レターオープナー、あるいはペーパーナイフは、「手紙の封を切る」ための道具として、なかなかに贅沢な品物。

指を使って無理やり破く方は少ないと思いますが、レターオープナーは、カッターナイフよりも鋭くないがゆえに、折れ曲がったところを柔らかく破り、はるかに心地良く開封のお手伝いをしてくれる確かな道具として、17世紀から支持され続けています。


シルバーのハンドルをもつレターオープナー、そしてお揃いのハンドルを持つ拡大鏡。流麗な曲線をもつ優雅なセットを是非この機会にお手元に装備されてはいかがでしょうか。




◆England
◆Birmingham
◆推定製造年:c.1910年
◆素材:ガラス・金属・シルバー
◆ルーペサイズ:幅約2.3cm 長さ約12.2㎝
◆レターオープナーサイズ:長さ約20.4㎝
◆レンズ部分直径:約4cm
◆重量:ルーペ23g レターオープナー34g
◆在庫数:1セットのみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に微細な傷や汚れがみられます。
*レンズ部分にごく微小のチップ(欠け)がありますがご使用に差し支えは無いと思います。
*レンズおよびオープナーの刃の部分は後年に付け替えられたものと思われます。
*オープナーは刃物ではありませんが、鋭い形をしています。お取り扱いには十分ご注意ください。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。




Todd Lowrey Antiques
by d+A