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Friday

キューピッドの松明を貴方に / Antique Silver Handle Shoe Horn Birmingham 1909

 英国アンティーク、銀のハンドルをもつシューホーン(靴べら)。


















凝った装飾を持つシューホーンのご紹介です。


まず、なによりも目を惹くのはハンドルの装飾。ふくよかな体つきをした天使が松明を掲げている様子が、花々や渦巻文様と共に表現されています。


この天使は恐らくキューピッド(ギリシア名エロス/ローマ名クピド)と思われます。母親であるヴィーナスは、燃える松明をもって貞節の女神ディアナに相対する役目を持っていますし、キューピッドにとっても松明は恋心を焚きつける為の持ち物(アトリビュート)となっています。



また、ハンドル部分にはホールマークが刻印されており、バーミンガムの錨のマークと「WV.&S」のメーカーズマーク、ライオンパサントと小文字の「k」のデイトレターががみられます。これは1909年バーミンガムのアセイオフィスで認可を受けたスターリングシルバーであることを表しています。


バーミンガムで「WV.&S」といえば、「William Vale & Sons」であろうと思われます。1883年創業の「William Vale & Sons」は、バーミンガムのUnett Streetに工房を持ち、アクセサリーやハットピンスタンド、文房具などを製造していたシルバースミスです。



実際に靴と足を添わせるヘラの部分には「STEEL ENGLISH MADE」と記されておりますので、スチールにメッキ仕上げでしょう。

英国の古い物でシューホーンはしばしばみかけるアイテムのひとつ。多くは真鍮の物、そして一部はこのようにハンドル部分だけ銀(スターリングシルバー)で、ヘラ部分はスチールにメッキというものが多いようです。このようなフォルムですと全てシルバーで、というのは当時強度的に問題があったのかもしれません。ヘラは使いこまれて少々地がでている部分や、変色もありますが、まだまだ十分実用にお使いいただけそうです。


全長約17.2cmというシューホーンはややこぶりながらも、使いやすい大きさ。玄関のカウンターに何気なく置いておいても、エレガントさを感じます。


愛と創造性の神でもあるキューピッドが、いたずら心いっぱいに松明を掲げた様子が可憐に表現されたハンドルは、エドワード朝の置き土産。

古代から続く神話の世界へ想いを馳せながら、日々お使いいただける英国アンティークアイテムはいかがでしょうか。



◆England

◆Birmingham

◆推定製造年代:c.1909年

◆素材:スターリングシルバー、スチール

◆サイズ:幅約3.6cm 長さ約17.2cm 厚み約1.2cm

◆重量:42g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色、へら部分には塗装の剥がれや変色等がみられます。

*へら背面には一部白っぽく見えるような変色がみられます。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。



アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。


Todd Lowrey Antiques

by d+A