英国ヴィンテージ、真鍮製のローリング・ルーラー。
ローリング・ルーラーとは、回転するシリンダーが仕込まれた定規のこと。
主として紙の上で平行に動かすことを目的にしており、大きな製図機器なしに平行線がひける便利な品物です。現代では透明の樹脂でできたものが販売されており、手軽な製図機器として使われています。
今回ご紹介するのは、1940年代頃、英国で作られた真鍮製のローリング・ルーラー。
まず、驚くのは立派な箱。
材はマホガニーと思われる材で出来ており、ほぞ組みで仕上げられた凝ったつくり。
蓋を開ければ内蓋には以下の文字がみられます。
Drawing Office Supplies Ltd.
LONDON
MANCHESTER
LEEDS
BRITISH
MADE
このことから、このお品物はロンドン、マンチェスター、リーズに支店もしくは支社をもつドローイング・オフィス・サプライ社のものだということがわかります。
このDrawing Office Supplies Ltdの文字は、ローリング・ルーラー本体中央にも彫り込まれています。
箱から左右のつまみを持ってローリング・ルーラーを取り出せば、その重さにまた驚きがわきあがります。定規だけの重さ、約1.4kg。
定規裏面はまぶしいほどの平滑面となっており、2か所の円筒形のみがわずかに突出しています。
ここがころがりながら、紙上を平行に動く・・・という仕掛け。
2か所の円筒形がわずかに突出しているため、定規のエッジは手の動きによって紙にぴったりつけたり、わずかに離したりすることができます。
これは恐らく鉛筆とインクの使い分けができるように、だったのではないでしょうか。
本体は真鍮を何らかの方法で黒くしたもの。
使いこんだせいでしょう、エッジや手が当たる部分は塗装が剥げて、本体の真鍮が鈍い金色の肌を覗かせています。
現在でも、十分製図にご使用いただける精度かと思います。
・・・まあ、正直なところ、現在、手で製図をされていらっしゃる方はだいぶ少ないかとは思います。
かつてこの定規を使って、英国の設計者達はどれだけ細かな図面を書いたのでしょうか。
塗装が剥げ、地金が覗くまで使い続けた仕事人たちの事を想うとき、なんとも崇高なものを見ているような気持になります。
彼らにとっては、それはきっと当たり前の仕事。
そしてそれがとても格好いいことに思えてなりません。
手元に置き、触れて、愛でて、想う。
確かな感触に呼び起こされる大切なものを、受け継いでください。
◆England
◆推定製造年代:1940年代
◆素材:ケース/木(マホガニー) 定規/真鍮
◆サイズ:ケース/幅約48cm 奥行き約8.5cm 高さ約4cm 定規/幅約46cm 奥行き約6.2cm 高さ約2.3cm
◆重量:ケース/約360g 定規/約1.4kg
◆在庫数:1点のみ(木箱入り定規1点)
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色、塗装の剥がれなどがみられます。
*ケースには塗装の剥がれや材の割れがみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A