どこまでも続く細い廊下が迷路のような建物の奥、ちいさな区画の中でみつけたのが、今回ご紹介するオールドプリントです。
可憐な少女を主題とした古いプリント。
下部に以下の文字がみられます。(一部不明瞭な箇所は?としてあります)
1857 R(?) G. BAXTER
OPRIETOR PATENTEE LONDON
PROPRIETOR:経営者・事業者
PATENTEE:特許所有者
G BAXTERとは、ジョージ・バクスター/George Baxter(1804-1867)のこと。
ジョージアンからヴィクトリアンにかけてロンドンを拠点に活躍したアーティストであり、プリンター(版画師)です。
1804年にサセックス、ルイスで版画師の息子として生まれたバクスターは、20才から父のもとで仕事をはじめ、23才で木版彫刻師のSamuel Williams の弟子となります。
1827年に自ら事業を始めたバクスターは多色版画において、大きな成功をおさめます。それまでも、多色版画はいろいろな手法で作られていましたが、バクスターの手法はそれらをもとにし、さらに発展させたものであり、生涯に多くの作品や図譜を残しました。
ロンドンに家と工房をもち、自分の技術で特許も取得していた経営者でもあったバクスターは、そのことを示すために「POPRIETOR PATENTEE」の文字もいれたのでしょう。
裏面のシールには以下の文字がみられます。
Phone Blackfriars 8941
J.DAVEY & SON
(中略)
70.BRIDGE ST.,MANCHESTER 3
(also at 44 Duke Street,Liverpool 1)
この「J.DAVEY & SON」とは、マンチェスターとリバプールにおいて絵画や地図、そのフレーミングを扱っていた商店のこと。
1851年から1951年まで営業していたそうです。
参考サイト(英語版)
https://sculpture.gla.ac.uk/view/organization.php?id=msib5_1244117762
以上のことから、もともとは1851年に制作されたバクスターの多色刷りプリントを、その年、もしくは後年にJ.DAVEY & SONがフレーミングして市場に出た・・・というものが、こちらのお品物である、と言えると思います。
J.DAVEY & SONの活動期間は100年ございますので、フレーミングは1951年の可能性もありますが、裏面の納め方などからみて、19世紀のものであるといえると思います。
人里近くに生息し、比較的人を恐れないコマドリ。
英語名でロビン/Robbinは、かの有名なマザーグース「誰が殺したクック・ロビン」をはじめ、童話にもよく登場し、その愛らしい容姿からも古くから英国人に愛されてきました。
輝く金髪の少女が、鳥籠と餌をもって、窓外の枝にとまったコマドリに呼びかけるような絵柄。いままで籠にいたコマドリが逃げてしまったのでしょうか。それとも、野生のコマドリをそばに置きたくて「どうかいらっしゃいな」と呼びかけている?
ノスタルジックな色合いと心和む題材が魅力の、英国アンティーク・プリントの佳品です。
実は、このプリントはもう1枚のプリントとセットで買い付けを致しました。
もしよろしければ2枚セットでお求めいただくと、より効果的なディスプレイになると思います。もう1枚のプリントはこちらからどうぞ。
◆England
◆推定製造年代:プリントc.1851年 フレーム19世紀後半
◆素材:紙・木・ガラス
◆サイズ:幅約20.2cm 高さ約26.2cm 厚み約1.5cm
◆重量:413g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色、フレーム材のカケがみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A