英国アンティーク、スターリングシルバーのシューホーンとボタンフックのセット。
スターリングシルバーのハンドルをもつ古いシューホーンと、ボタンフックのセットを手に入れました。
両方ともハンドル部分にはホールマークが刻印されており、バーミンガムの錨、ライオンパサント、一番右のデイトレターは矩形のシールドに小文字の「 o 」。
これらは1913年バーミンガムのアセイオフィスで認可を受けたスターリングシルバーであることを表しています。
一番左はメーカーズマークで、「 S.L&S 」と読めますが、残念ながら、メーカーの詳細は不明です。
まず、シューホーンについて、実際に靴と足を添わせるヘラの部分は、スチールにクロムメッキ加工が施されていて、付け根部分に「 ENGLISH MAKE STEEL 」の刻印が見えます。
100年以上が経って、先端の裏側にメッキの剥がれや小傷などがありますが、全体的にはとても綺麗で、長らくケースに保管させていたことがうかがえます。
英国の古い物でシューホーンはしばしばみかけるアイテムのひとつ。多くは真鍮の物、そして一部はこのようにハンドル部分だけ銀（スターリングシルバー）で、ヘラ部分はスチールにクロームメッキというものが多いようです。このようなフォルムですと全てシルバーで、というのは当時強度的に問題があったのかもしれません。
さて、ボタンフックですが、その用途は、ボタンを留めるための補助ツールです。現代ではほとんど使用されておらず、一部のボタンブーツ愛用者などが使用しているとてもマイナーな道具です。
17世紀のフランスで初めて登場し、19世紀のヴィクトリア朝時代に一般的な家庭用ツールとなり、小さなボタンで飾られたブーツ、手袋、スパッツ、ベストなどで使用されていました。
特に、ヴィクトリア朝後期に人気となった、足首の形を強調するよりフィットした硬い革のハイボタンブーツなどは、片足10個近くあるボタンを指で留めることは前提としておらず、ボタンフックありきのデザインと言えます。
使い方を簡単にご説明しますと、まずボタン穴の表側からフックの先端を差し込み、そのままフックの先端でボタンの根元を絡め取ります。次にボタンを絡めたフックをゆっくりボタン穴から引き出すとボタンかけが完了するのですが、ボタン穴から引き出す時にひねりを加えるなど、ちょっとしたコツを要するので、素早く留めるには慣れが必要です。
ボタンフックもシューホーン同様、ハンドル以外は「 ENGLISH MAKE STEEL 」のスチール製で、通常、先端形状に大差はありませんが、ハンドル部分は用途によって多種多様、材料にいたっては、スチールから木製、象牙、セルロイド、シルバー、ゴールドなどさまざまです。
当時、英国や米国の製造メーカーが、ドレッサーセットとして、ボタンフックを含むレターオープナーや、はさみ、シューホーン、キューティクルナイフなどをコーディネートして専用のケースで販売し、最小のセットとしては、シューホーンとボタンフックが最も一般的でした。
特に、英国のスターリングシルバーのセットは、ベルベットの裏地と刻印のある革のケースによって、各アイテムを完全に保持していましたので、優れた状態で見つかることも多く、貴重な贈り物としてその歴史を示しています。
今回のケース表面は、シボ加工された少し緑がかった黒い素材で覆われ、内部は本体形状に合わせてベルベットの内張りが施されており、経年によって、角などに剥がれが見受けられ、留め具に若干の緩みもありますが、蓋の開閉に支障はなく、丁番はしっかり機能しています。そのケースの中で守られてきたシューホーンとボタンフックは、シルバーの輝きも褪せることなく、とても良いコンディションです。
可憐な花の装飾が施されたスターリングシルバーのハンドルをもつ、100年以上前の英国エドワーディアンのドレッサーセット。
大切な方への贈り物などお薦めのセットです。
◆England
◆推定製造年:c.1913年頃
◆素材：シルバー・スチール
◆サイズ：シューホーン全長約20.0cm
ボタンフック全長約20.3cm
ケース幅約25.6cm 奥行約10.3㎝ 厚さ約2.6cm
◆重量:シューホーン68g ボタンフック33g ケース込 286g
◆在庫数：1点のみ
【NOTE】
＊古いお品物ですので、一部に微細な傷や汚れ、金属部の経年変化等がみられますが、とても良い状態です。
＊ケースの留め金部分は若干緩めです。
＊詳細は画像にてご確認ください。
＊画像の備品は付属しません。
＊上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d＋A
