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Friday

H.W.Long氏はちょっと適当 /Antique Technical Drawing Instrument Set with Box

 英国アンティーク、マホガニーの箱入り製図セット。


























艶めくマホガニーの箱に入った製図セット。


当店では何度か古い製図セットをご紹介して参りました。それぞれ特徴があり、元の使い手を偲ぶことが出来るものばかり。


今回のセットはどうでしょうか。


まず、蓋を開けば、真鍮と黒檀でできた製図ツールが現れます。蓋内側上部には「H.W.Long」の文字が刻まれています。前の持ち主と思われます。


箱の底面はフレンチポリッシュがされておらず、無塗装のように思います。そして楕円形のスタンプがおされており、「21 MAR...????」と日付のような文字がみられます。他にも文字があるのですが、解読することはできませんでした。恐らくはどこかの備品として購入され、購入した日付と名前(施設や会社名)がスタンプされていたのかな、と思います。


内部本体には、大小の真鍮デバイダーが各1本。そして細い鉛筆2本と烏口、アジャスト金具が入っています。このアジャスト金具を使うと、デバイダーに鉛筆を取り付けることが出来ます。正直、少々無理矢理かな、とも思うのですが、それなりにとまるので、実際このようにして使っていたのかと思います。そして烏口は残念ながらこの2本のデバイダーに取り付けることは出来ませんのでご了承ください。


蓋側には黒檀の平行定規と真鍮の分度器が嵌めこまれています。この蓋部分ですが、おそらく現状の物はオリジナルではなく、以前の持ち主が上手く誂えた物と思われます。


その理由は以下の通り。


中央部分の桟はぴっちりしたサイズの木をただ嵌めただけ。やや力を込めて回転するようにずらせばすぐに外れます。元に戻したいときは同じようにやや力を込めて嵌めこむことが必要です。この桟を外さないと、平行定規と分度器は取り出せません。そして、蓋の端部についている回転式の留め具は、現時点では役に立ってはおりません・・・。


それでも、分度器の跡は布地にしっかりと残っておりますので、この仕様になったのはかなり前といってよいと思います。


つまり、全体としてオリジナルの揃いではなく、使っているうちにいろいろと必要なものを入れたり(もしくは失くしたり)しながら、自分仕様に整えたセット、といえるかと思います。そしてそれは、少々適当な「H.W.Long」氏なのかもしれません。


それでも「PATENT」と刻まれた真鍮のデバイダーは美しく、しっとりとした黒檀の平行定規も見応えがございます。それぞれが本物の品格をしっかりともった製図セットであることは間違いございません。


これからは、貴方のお手元で。

この古い英国のセットをベースに、貴方なりのスペシャルな「Drawing Instrument」を整えてみてはいかがでしょうか。




◆England

◆推定製造年代:c.1900年代頃

◆素材:木、布、真鍮、黒檀、他

◆箱サイズ:幅約18.5cm 奥行き約10cm 厚み約2.6cm

◆総重量:285g

◆在庫数:1セットのみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色、書き込み(刻み)等がみられます。

*説明文にございますとおり、付属のカラス口はデバイダーには嵌められません。

*蓋は安定して閉まりますが、わずかに隙間やずれがあります。開ける時は凸部を思い切り押しつつ蓋を開いてください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。



Todd Lowrey Antiques

by d+A