英国アンティークのハットスタンド。
このようなスタンドは「Hat stand」もしくは「Wig Stand」といいます。
文字通り「ハット/帽子 スタンド」、もしくは「ウィッグ/カツラ スタンド」。
昔のヨーロッパでは貴族がウィッグをかぶることは当たり前に行われていました。
詳しくは時代によっても国によっても異なりましたが、例えば16世紀末のエリザベス1世は、ウィッグを80個も持っていたといいます。
本格的な流行は17世紀前半、フランスのルイ13世の時代から。髪の薄かったルイ13世は、23歳の時からウィッグを使い始め、これがまず宮廷へ拡がり、市民層にまで普及していきました。
それはもちろん英国へも広がり、社交には欠かせない物となったようです。
やがてフランス革命以降は華美な風習として敬遠されるようになり、20世紀になると男性はほとんどつけないようになりました。
ただ一方で、頑なに伝統を守り続けている場所もございます。
それが、英国の法廷。
ご存知の方も多いかとは思いますが、英国では現在もかつらは裁判官や法廷弁護士のための正式な法廷服装となっています。
しかも階級や業務によってデザインがちょっと違っているというこだわりよう。
メディアなどで法廷の様子がとりあげられているのを見ると、私たち日本人としては「本当にちょっとなにこれは?」・・・と思わずにはいられないような光景になっております。(すみません)
なお、このかつらは2008年から一部地方で民事裁判に限って廃止されておりますが、刑事裁判においては現在も必須アイテムです。
・・・話がそれました。
今回ご紹介するのは、つまり、そんなスタンド。
20世紀にはウィッグをつける人はだいぶ少ないので、ハットスタンドとご紹介させていただきます。
ただ、このようなスタンドを買い付ける時、多くの英国人ディーラーは「Wigg Stand....Hat Stand, both!」という感じで、ウィッグスタンドと言わずにはいられないような雰囲気を醸し出すのがお決まり。
推定製作年代は1900年代、ヴィクトリア女王がなくなり、エドワード7世が王となった頃と思われます。
材は家具材として高級素材であるマホガニー。
みっちりと詰まった杢目と奥に黄金色を潜ませた良い材で、深い古艶は100年を超える歴史を確かに感じさせます。
土台は幾重にも円が重なる挽物細工。その上に伸びる支柱はすらりとすっきりした紡錘形で、エドワーディアンに好まれたシンプルな品良い意匠を反映しているよう。
トップには帽子(ウィッグ)に優しい半球状の受けをつけて、全体に美しいバランスを持ち、帽子を乗せてなくても十二分に鑑賞に堪えうる完成度です。
高さは約30cmとお手頃な高さ。
帽子を置けば、その帽子が間違いなく良いものに見えてしまう(いえ、良い帽子なのでしょうけども)魔法をかけてくれるようなひとしなです。
英国において最後の古き良き時代といわれるエドワーディアン。
そこからやってきた、古き良きスタンドに、貴方の大切なヘッドウェアを預けてみてはいかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年代:c.1900年代頃
◆素材:マホガニー材
◆サイズ:直径約10.9cm 高さ約30cm
◆重量:188g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、土台にはアタリが、一部に補修跡がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*トップの半球はわずかに傾きがみられますが、全体にぐらつきはなく、十分ご使用いただけると思います。
*画像の帽子や備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A