紳士の為の西洋小物骨董店 トッドローリイ・アンティークスの
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Monday
ヴィクトリアンのロンドンから来た飴色の杖 / Antique Victorian Walking Stick with Malacca Cane
シルバー・グリップに加えシャフトに最高級素材・マラッカ藤を使ったアンティーク・ステッキ。
17世紀、男性が剣を持たなくなった代わりに持ちはじめたといわれるステッキ。
その頃から、「象牙のグリップにマラッカ藤のシャフト」が高級ステッキの定番素材だったといいます。
大航海時代に端を発し、世界中から素晴らしい品物を集めていた英国ならではの、贅沢な組み合わせでした。
マラッカ藤(マラッカケイン)とは、マレーシア、マライ半島西岸のマラッカ海峡に面した港湾都市から出荷される周辺
地域特産の藤の茎のことです。
もともとの材に斑(フラワー)が入っており、使えば使うほどそれが濃くなり、全体に艶がでてきて、しっとりと飴色になるのが特徴。
その艶具合や斑などは個体差があり、その表情を愉しむのがマラッカケイン愛好者の愉しみであるといっても過言ではありません。
軽く丈夫で表情豊か、そしてエイジングもたのしめるマラッカケインは、杖はもちろん、傘の柄にも使われており、現代においても英国紳士が大好きな素材。
英国王室御用達、老舗の傘メーカーFOXも、傘の柄の定番素材としてマラッカ藤を取り揃えています。
今回ご紹介するステッキは、シャフトがそのマラッカ藤、そしてグリップはシルバーでできている最高級の逸品。
シャフトにはなんとも味わい深い斑がまるで絵画のように現れており、自然の奥深さを感じさせます。
シンプルなグリップには、だいぶすり減ってはおりますが、確かにスターリングシルバーのホールマークが確認できます。
一番左端はメーカーズマークでしょう。長方形の中に「S.R]の文字がみえます。
ジョージアンからヴィクトリアンにかけて、ロンドンで「Solomon Royes」というシルバースミスがおりましたので、そこで作られたものかもしれません。
次はライオンの横姿、そしてleopard/豹の顔はロンドンのアセイオフィスの印。
隣にはシールドが確認できますが、なかにあるはずのアルファベットはよくよく見れば「S」のように見えます。
ロンドンのアセイオフィスでは、これらに加え1890年まではクィーンズヘッドが刻印されておりましたので、時代としては1890年以降であるということがわかります。
そしてロンドンでシールドに囲まれたアルファベットが使われていたのは1895年まで。
1891年が[Q]1892年が[R]1893年が[S]1894年が[T]1895年が[U]。
アルファベットのアウトラインからして「S」の可能性が一番高いと判断いたしました。
以上のことから、このシルバーは1893年にロンドンのアセイオフィスで認可を受けた、と考えてよいように思います。
そんなスターリングシルバーのグリップは、比較的こぶりでシンプルなフォルムながらも、凝った唐草文様がカーヴィングされており、小さいながらもこだわりが感じられる仕様となっています。
シャフトにはマラッカ藤特有の斑模様に加え、下に行くほど小傷がみられます。
このステッキを持ってヒースの茂みを幾度も歩いたのか、はたまた子犬のいたずらか・・・いずれにしましても、アンティークならではの景色としてお愉しみいただければと思います。
先端の石突部分には英国の古いステッキによくみられる真鍮のカバーがついています。
経年により色は黒ずみ、少しひび割れもみられます。
このようなカバーはほとんどが釘1本(たまに2本)でついており、擦り切れたり割れたりしたらすぐに取り換える消耗品のような存在だったと思われます。
現状は特に緩みは感じられませんが、実用にお使いになる場合はスリップ止めも兼ねてゴムキャップなどをつけていただいたほうが良いかと思います。
ヴィクトリア時代のロンドンからやってきた飴色の杖。
120年以上の間、どんな物語をみてきたのでしょうか。
今度は貴方が、その物語の続きを紡いでください。
◆London,England
◆推定製造年代:c.1893年頃
◆素材:スターリングシルバー、マラッカ藤
◆サイズ:全体長さ約88cm グリップ直径約2.4cm
◆重量:約144g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、歪みや変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*シャフトには若干の反りがみられます。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。
Todd Lowrey Antiques
by d+A
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Stick