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Thursday

金床の司祭の地から / Antique Brass Dust Pun

 英国アンティーク、真鍮でできたダストパン(パンくず取り)。















ダストパンとは、直訳すれば「ちりとり」のこと。

テーブルクロスに落ちたパンくずを取るための、このような道具もダストパンと呼びます。


テーブル用ダストパンは、ブラシとパンが別々の物もありますが、今回ご紹介するのは1体型のタイプ。

テーブルにまっすぐあたる面、パンくずをためる凹みに対し、わずかに傾いた取っ手が持ちやすくできた実用性抜群のひとしなです。



定番的なアイテムですが、このダストパンの特徴は取っ手部分のデザイン。

鍛冶屋が使うアンヴィル(金床)型となっており、以下の文字が刻まれています。


The Old Blacksmith's anvil

GRETNA GREEN

over which

MARRIAGES

were

performed


さて、ここで「GRETNA GREEN/グレトナ・グリーン」の町の話をいたしましょう。


グレトナ・グリーンとは、スコットランド南部西海岸に在る小さな町。

そしてこの町は「駆け落ち婚」で有名なのです。




1753年、婚姻法がイングランドで可決して以来、イングランドでは両親の承諾を得た21歳以上の男女のみに結婚が許されるようになります。ただ、この法律はスコットランドでは適用されず、スコットランドでは男性は14歳、女性は12歳以上ならば親の承諾なしに結婚できました。(現在は異なります)


さらに、イングランドの法律では“asking of the banns”(一定期間の結婚予定通告。その間、誰でも結婚に対する異議申し立てができる)や、後には結婚許可証が必要になったので、結婚に反対する人物が、たとえそれが法的に正式な結婚であったとしても、結婚の計画が持ち上がっていることを知り、妨害することができたのです。


よって、婚姻法が改正される以前は、多くの駆け落ちカップルが結婚するためにイングランドを逃れ、スコットランドに入って最初の町、すなわちグレトナ・グリーンへと走りました。


もともとグレトナ・グリーンには数軒の鍛冶屋があり、この町にたどり着いたカップルが鍛冶屋に駆け込み、鍛冶屋の親爺さんに挙式の立会いをしてもらったことが始まりといわれています。

この鍛冶屋達は、イングランドから駆け込んでくる駆け落ちカップル達を大歓迎し、鍛冶屋の作業場で安価に挙式を行うサイドビジネスが始まり彼らは「金床の司祭(anvil priest)」と呼ばれるようになります。

このような歴史から、現在においても、グレトナ・グリーンは結婚式の開催地として世界中で有名であり、数多くのカップルが「金床を前に」結婚するためにグレトナ・グリーンを訪れています。



今回ご紹介するダストパンは、そのグレトナ・グリーンのお土産物と思われます。グレトナ・グリーンを象徴する金床、そしてトップには魔除けの蹄鉄があしらわれ、いかにもカップルの守護に力となってくれそう。



いわれあるアンティークアイテムを、貴方の日々の暮らしに加えてみる。

大切な人への贈り物に選んでみる。


そんな選択はいかがでしょうか。



◆England

◆推定製造年代:c.1940年代頃

◆素材:真鍮

◆サイズ:幅約10cm 全体長さ約25.3cm

◆重量:178g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色、歪み等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。

Todd Lowrey Antiques

by d+A