英国アンティーク、シルバーハンドルルーペ。
使い始めてみるともう手放せないツールのひとつ、拡大鏡。
それがアンティークの、しかも銀製品であることは、美しさと機能性、そしてクオリティのすべてを満足させるひとつの究極であることは間違いありません。
今回ご紹介する拡大鏡は、持ち手の形状がピストルのグリップを模した形状をしていることから、Pistol Handle あるいは Pistol Grip Handle と呼ばれ,17世紀から食べるためのナイフのハンドルとして使われ始めた歴史のあるデザインです。
英国アンティーク・シルバーにはホールマークを読み解く愉しみがつきものですが、このルーペにも、持ち手の付け根近くに、数個のホールマークをみることができます。
メーカーズマークは、若干不鮮明ですが、恐らく RM & EH と思われます。 RM & EH は、マーティン・ホール・アンド・カンパニー/Martin, Hall & Co (Richard Martin & Ebenezer Hall) によって、1863年に英国バーミンガムのアッセイオフィスで登録されました。
同社の起源は、ウィルキンソン&ロバーツ/Wilkinson & Roberts として、ヘンリー・ウィルキンソン/Henry Wilkinson とジョン・ロバーツ/John Roberts が、1820年に英国シェフィールドで交わしたパートナーシップが始まりです。その後、1836年にウィルキンソンは事業を去り、1846年にジョン・ロバーツはエベネザー・ホール/Ebenezer Hall を迎え、 ロバーツ&ホール/Roberts & Hall と名称が変更されました。
そして、エベネザー・ホールの兄弟であるジョシュア・ホール/Joshua Hall が、新たにリチャード・マーティン/Richard Martin とのパートナーシップを1854年に締結したことによって、マーティン・ホール・アンド・カンパニー/Martin, Hall & Co というスタイルとなり、1866年に株式会社となりました。
同社は、スターリングシルバーと電気メッキのアイテム、特許を取得したホワイトメタルでの生産などを加え、シェフィールド、ロンドン、シドニー、バーミンガム、グラスゴーなどで幅広く活動し、1851年の大展覧会、国際化展(1862年)、シドニー展(1879年)、メルブーネ展(1881年)、1915年の英国産業見本市に参加しましたが、第一次世界大戦後、会社は清算に入り、1936年に登録を取り消されるまでに、事業は他社へ売却されたと言われています。
メーカーズマーク隣のクラウンのマークは、1975年まではシェフィールドのシルバーを示すもので、スタンダードマークのライオン、そしてゴシック調小文字の「d」のデイトレターマークは、1896年にシェフィールドのアッセイオフィスで認可を受けたシルバーであることを表しています。
なお、レンズ部分は後年に付け替えられたものであると思われます。
英国アンティークの拡大鏡は、このようにハンドルは活かしながら、傷つきがちなレンズ部分のみ付け替えられているものがほとんど。
金属製のレンズ枠は太いものもありますが、このお品物はごく細いレンズ枠で仕上げられています。
直径約5cm強、倍率約5倍のレンズはコンディションもよく、傷はほとんど見えませんので、十分にお使いいただけることと思います。
全体長さは約14cm弱ですので、デスクやサイドテーブルに置いておいても邪魔にならないこぶりなサイズ。
100年以上の年月を経ても、変わらないシルバーの輝きと質感。
いつまでも変わらない価値をもつ、実用的な英国アンティークのひと品です。
◆England
◆推定製造年:c.1896年
◆素材:ガラス・金属・シルバー
◆サイズ:全長約13.7㎝ 幅約5.1cm
◆重量:34g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に微細な傷や汚れがみられますが、ガラス部分に目立つ傷はなく、とても良い状態です。
*レンズ部分は後年に付け替えられたものと思われます。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A