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Thursday

全ては水平を知ることから始まる / Antique Brass Spirit Level

 英国アンティーク、水平器。















真鍮のパイプに開いた3つの窓を覗くと、液体が封入された透明のガラス管とその中を揺れ動く気泡が見えます。


これは、物体の表面に密着させ、水平であるかを確認する器具で、英語ではレベル/Level、日本では水平器あるいは水準器と呼ばれています。


この水平を測る機能は、実はスマートフォンにも標準装備されていますが、日常生活ではあまり必要とする場面もないかと思います。しかし、測量の現場や建設現場、工場などでは必要不可欠で、カメラや三脚などにも使われている重要なツールなのです。



英国のアンティークマーケットでは、ローズウッドやチェリーウッドなどの木製ボディに真鍮のプレートが留められ水平器を多く見かけるのですが、今回のような、ガラス部分を除く全てが真鍮で、かつ円筒形の水平器は珍しく、ヴィクトリア朝時代に製造されたものと思われます。


水平器/水準器の歴史は古く、アルファベットのAに似た木枠の頂点から、錘を糸で吊り下げて水平を見る「A水準器」などが、古代から19世紀まで使われていたほど、あらゆる建造物、建築物は、水平であることなくしては為し得なかったと言えます。



ガラス円筒に液体と気泡を入れた密閉ガラス管を用いた水平器/水準器は、1661年に発明され、初めは望遠鏡、後に測量で使用されましたが、19世紀半ばに工場製モデルが導入されるまで、大工の道具として普及しませんでした。


当初、液体として水やアルコールが選択されましたが、水は粘度や表面張力、凝固点の問題から使用が困難なので、アルコールや油などが使用されるようになり、今日では、ミネラルスピリッツやエタノールなどの代替液体を使用し、さらにフルオレセインなどの着色剤を添加して、気泡の視認性が高められています。



1800年代後半から、アメリカのスタンレーや、欧州の多くのメーカーが製造し、英国やスコットランド、フランスなどでは、黒檀や象牙、真鍮やシルバーなどを使用した派手で高性能なレベル(水平器)が製造され、レベル作りを新たな高みに引き上げたと言われています。



そんな英国製の水平器。

長い年月を経て味わいを増した厚さ3㎜の真鍮の台座は安定感があり、裏面には WARRANTED CORRECT の刻印がみられます。

これは古い水平器や計測機器などでしばしば見かける表示であり、「WARRANT」とは「保証」の意味ですので、「正確性を保証する」という意味かと思います。

ちなみに「ROYAL WARRANT」は「英国王室御用達」の意味です。品質が確かな物、という意味で共通点がありますね。




台座の上を横たわる長さ15㎝の真鍮パイプは、2本の支柱によって固定されており、その支柱の上部は、マイナスドライバーなどで回転させることができ、パイプの水平を更に微調整できる珍しい機能となっています。

パイプに開けられた3つの窓の中央は、センターに向かって左右対称に絞られており、気泡の位置をより正確に把握できる工夫がされています。



ヴィクトリア女王の時代に生まれたお洒落な水平器。

実用性も兼ね備えた、英国アンティークの逸品はいかがでしょうか。




◆England

◆推定製造年:c.1870~1880年代頃

◆素材:ガラス・真鍮

◆サイズ:全長約15㎝ 幅約2.2cm 高さ約2.5cm パイプ直径約1.4cm

◆重量:149g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に微細な傷や汚れ、金属部の経年変化などがみられますが、動作は正常です。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。



アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。

Todd Lowrey Antiques

by d+A