英国アンティーク、シルバーハンドルルーペ。
アール・ヌーヴォー/Art Nouveau 様式。
「新しい芸術」を意味するアール・ヌーヴォ―様式は、19世紀末、ヨーロッパにおいて家具、ファッション、建築、工芸品、グラフィックデザインなど装飾芸術として花開きました。
代表的な作品として、Alfons Maria Mucha/アルフォンス・ミュシャの絵画や、パリの地下鉄入口などで、その様式のモチーフは、花や蝶など動植物に由来する有機的な形状や構造、および緩やかな曲線に影響を受けているのが共通した表現方法です。
1890年から1910年にかけて、主に欧州で人気を博した芸術運動であり、1900年に開催されたパリ万国博覧会は「アール・ヌーヴォー展」とも呼ばれるほど、流行の頂点であったと言われています。
今回ご紹介するルーペ・拡大鏡は、まさにそのアール・ヌーヴォ―様式で出来た稀有なひとしな。スターリングシルバーの持ち手全体にツル植物が優雅な曲線を描いています。作られたのは1906年、バーミンガムです。
英国アンティーク・シルバーにはホールマークを読み解く愉しみがつきものですが、今回ご紹介する拡大鏡にも、持ち手の中央付近に、数個のホールマークをみることができます。
左のメーカーズマークである E.J.P は、英国 Birmingham、Graham Street の、E J Partridge(Ebenezer Joseph Partridge) 社 のもの。
E J Partridge は、1901年に英国バーミンガムのアッセイオフィスに登録され、フォークやナイフ、ナプキンリング、デカンターラベル、ベスタケースなどのシルバー製品を多数製造していました。
メーカーズマークの下には、錨のマークにライオンパサント、そして、デイトレターが小文字の「 g 」。これらは1906年にバーミンガムのアッセイオフィスで認可を受けたスターリングシルバーであることを表しています。
なお、レンズ部分は後年に付け替えられたものであると思われます。
英国アンティークの拡大鏡は、このようにハンドルは活かしながら、傷つきがちなレンズ部分のみ付け替えられているものがほとんど。
金属製のレンズ枠は太いものもありますが、このお品物はごく細いレンズ枠で仕上げられています。
直径約5cm強、倍率約5倍のレンズはコンディションもよく、傷はほとんど見えませんので、十分にお使いいただけることと思います。
全体長さ約14cmですので、ややこぶりでデスクに置いても邪魔にならないサイズなのではないでしょうか。
100年を超えても、変わらないシルバーの輝きと質感。
世紀末の退廃美を体現した美しき英国アンティークのひと品は、日常使いに十分ご使用いただける実用的なひとしなでもあります。
貴方のお手元に。大切な方へのギフトに。
1世紀前の新しい芸術作品をご堪能ください。
◆England
◆推定製造年:c.1906年
◆素材:ガラス・金属・シルバー
◆サイズ:全長約14.3㎝ 幅約5.1cm 持ち手部分最大幅約1.8cm
◆レンズ部分:直径約5cm
◆重量:34g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に微細な傷や汚れがみられますが、ガラス部分に目立つ傷はなく、とても良い状態です。
*レンズ部分は後年に付け替えられたものと思われます。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A