英国アンティーク、マザーオブパールとシルバーバンドハンドルのルーペ。
拡大鏡はどんな時に使いますか?
細かな文字を読むため。小さなものを観察するため。よりじっくりと対象物を知るため。私たちの「知る」欲求のためにある拡大鏡は、いかにも人間らしくあるためのツールであるといえるでしょう。
今回ご紹介する拡大鏡は、シルバーのバンドとマザーオブパール/Mother Of Pearl の持ち手が印象的な逸品です。
マザーオブパールは、白蝶貝などの体内で真珠を育む母貝のことで、その母貝の内側、真珠層を削り出して使用しています。その真珠層は幾千層もの積層部分で光が乱反射し、その奥底から光がにじむような照りが生まれ、奥行きのある深い光沢と、しっとりとした"光の肌触り"が堪能できます。
また、英国アンティーク・シルバーにはホールマークを読み解く愉しみがつきものですが、この拡大鏡のバンド部分「フェルール/ferrule」と呼ばれるシルバーの継ぎ手に、数個のホールマークをみることができます。
左のメーカーズマークである G H B は、英国 Sheffield、Arundel Street の、Alfred Biggin & Son (George Henry Biggin)社 のもの。E J Partridge は、1893年に英国シェフィールドのアッセイオフィスに登録され、主に結合部の口金、ナイフやフォークのハンドルなどのシルバー製品を多数製造していました。
メーカーズマークの隣には、クラウンのマークにライオンパサント、そして、デイトレターが小文字の「 l 」(エル)。これらは1903年にシェフィールドのアッセイオフィスで認可を受けたスターリングシルバーであることを表しています。
なお、レンズ部分は後年に付け替えられたものであると思われます。英国アンティークの拡大鏡は、このようにハンドルは活かしながら、傷つきがちなレンズ部分のみ付け替えられているものがほとんど。金属製のレンズ枠は太いものもありますが、このお品物はごく細いレンズ枠で仕上げられています。
直径約5cm強、倍率約5倍のレンズはコンディションもよく、傷はほとんど見えませんので、十分にお使いいただけることと思います。
全体長さ約14cmとややこぶりなので、デスクの上に置いても、バッグの中に忍ばせても邪魔にならないサイズなのではないでしょうか。
100年を超えても、変わらないシルバーの輝きとマザーオブパールの人肌のようなしっとりとした質感。
得も言われぬ輝きをはなつ、実用的な英国アンティークのひと品です。
◆England
◆Sheffield
◆Alfred Biggin & Son (George Henry Biggin)社
◆推定製造年:c.1903年
◆素材:ガラス・金属・シルバー・マザーオブパール
◆サイズ:全長約14.4㎝ 幅約5.1cm 持ち手部分最大幅約1.7cm
◆重量:48g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に微細な傷や汚れがみられますが、ガラス部分に目立つ傷はなく、とても良い状態です。
*レンズ部分は後年に付け替えられたものと思われます。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A