英国アンティーク、トリベット。
「Trivet/トリベット」ご存知でしょうか。
日本語では「五徳」もしくは「鍋敷き」と訳します。
語源はラテン語の「tripod/トリポッド/三本脚」から。3本の脚でできた金物を火にかけ、その上に鍋などを置いたことからきています。
トリベットは17世紀ころからみられ、日々の家事で欠かせない役割を持っていました。「スパイダー/蜘蛛」と呼ばれることもあり、長い脚のものは直接火にかけたり、短い脚のものは単なる鍋敷きやアイロン台として使われました。19世紀から20世紀初頭は鉄か真鍮、そののちはアルミなどで作られることが多かったようです。20世紀に入り、キッチンが現代的になってくると、トリベットは現代の鍋敷きのような形状となってきます。
英国アンティーク市場では、ひとつの定番でもあるトリベット。前述のように古いものの材は鉄か真鍮が多く、特に真鍮のものは意匠がこらされ、ちょっとした飾りやお土産物としての要素が強いように思いえます。
今回ご紹介するトリベットは、その真鍮製。小さなテーブルのような形をしていて、フラットな部分には凝った紋章が施されています。一見すると、英国国章のように見えます。
さて、英国の国章(国王の個人的な紋章)とはどんなものでしょうか。
まず、イングランドを象徴するライオンとスコットランドを象徴するユニコーンが四分割された盾を支えています。ユニコーンが鎖で繋がれているのは、危険な獣であるため、もしくはスコットランドがイングランドに繋がれていることを象徴する、ともいわれています。
盾の上には冠をかぶったライオン、盾を囲むベルトはガーター勲章を表し、フランス語で 「HONI SOIT QUI MAL Y PENSE(英:Evil to him who evil thinks)思い邪なる者災いあれ」の文字が、下部のリボンにはイングランドの 「DIEU ET MON DROIT(英:God and my right)神と我が権利」という標語が記されています。
今回ご紹介するトリベットには、ライオンとユニコーン、そして標語は英国の国章そのものですが、盾の中は4分割ではなくクロスされた剣、そして盾の上は王冠を被ったライオンではなく、騎士の被り物が施されています。以上のことから、このトリベットの図柄は英国国章を少しアレンジしたオリジナルなのではないかと思われます。
600g超とずっしり重く、鈍い金色に輝くトリベットは存在感抜群。
そのまま飾っていただいてもよし、、まさに鍋敷きとしてご使用いただいてもよし。
小さな台としてグリーンや小物などを飾るディスプレイ台としても重宝しそうです。
英国らしい意匠をもつ、風格溢れるアンティークアイテムです。
◆England
◆推定製造年代:c.1930-1950年代頃
◆素材:真鍮
◆サイズ:約14.6cm角 高さ約7.7cm
◆重量:628g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色、歪み等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*ぐらつきはございません。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A