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Wednesday

銀に手彫りの唐草が映える凛々しき1本 / Antique Walking Stick Sterling Silver Grip by KENDALL 1924

 英国アンティーク、スターリングシルバーのグリップをもつステッキ。
















英国のアンティークフェアで手に入れた、ブラックシャフトにスターリングシルバーのグリップを持つステッキ。


英国のステッキとしては定番のカラーリングで、きりりと黒いシャフトとシルバーの対比が凛々しく、お洒落して持ちたくなるような優雅さに満ちています。


細かな部分をよく見てみましょう。シャフト部分は木製ですが、ほぼ黒といえる色味に塗装されています。わずかに塗装の剥げがみられますが全体としては良いコンディションといえるでしょう。


特徴的なのは、そのサイズ。長さ約75cmと、英国のステッキとしては珍しい短さです。


背の低い紳士が使っていたのか、はたまた女性用だったのか。ただ、短いながらも持てば重さ246gと重めであり、すっしりしっかりした印象。このことから、私見ではありますが、背が低め、そしてステッキは上から押すように突きたいタイプの紳士の物のような気がいたします。ずっしりと重く、またほとんどしなりも無い硬さから、材はローズウッドかもしくは黒檀なのではないかと思います。



さらに目を惹くのは、美しいハンドカーヴィングが施されたスターリングシルバーのグリップ。

ホールマークをみてみると、アセイオフィスはロンドン、デイトレターはおそらく1924年。メーカーズマークは「K&S LD」、及び他の場所に「KENDALL」の刻印がみられます。これは「Kendall & Sons Ltd」のこと。1870年 Leicesterにて創業、その後事業を拡大し、傘やレインウェア等を中心に製造していました。特にケンダルの傘は高い評価を受けており、その技術を使って第二次大戦中はパラシュートの製造に係わります。やがて1977年には他社に買収され、最終的には服飾ブランド「NEXT」に吸収されたようです。



このステッキが作られた1920年代と言えば、第一次大戦がおわり、英国もきたるべき近代化の波に洗われていた時代。

ジョージ5世の治世下ではありますが、1924年には労働党内閣ができるなど国際事情、政治状況にも新たな展開が訪れつつありました。


小説「日の名残り」やテレビドラマ「ダウントン・アビー」の時代でもあります。恐らく、紳士が日常的にステッキを持ち歩いていた最後の時代といえるかもしれません。


ブラックとシルバーのコントラストが美しく、毅然とした佇まいをもつ1本。飾らずに、でも質の良い物を選び抜いて身の回りを整える、真面目な英国紳士の姿が目に浮かびます。


英国紳士の矜持を感じさせる凛々しき1本。貴方のお手元にいかがでしょうか。




◆England

◆Kendall & Sons Ltd

◆推定製造年代:c.1924年

◆素材:スターリングシルバー、木、金属

◆サイズ:長さ約75cm グリップ直径約3.8cm

◆重量:246g

◆在庫数:1点のみ




【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、アタリや凹み、変色等がみられます。

*ステッキはがっしりとしており、体重をかけてもほとんどしなりません。

*石突部分の金属も残っており、現時点で安定してついていますが、ご使用時にはゴムキャップ等を嵌めることをお勧めします。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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Todd Lowrey Antiques

by d+A