英国アンティーク、シルバーハンドルのレターオープナー & 拡大鏡のセット。
英国アンティークのシルバーハンドルのレターオープナーと拡大鏡のセットをご紹介します。
目を惹くのはハンドル部分の装飾。シールドカルトゥーシュを飾る小花やアカンサス。そして、アカンサスのカーヴした茎から這い出るように、長い体をくねらせる幻獣がみえます。翼を持ち、前足を伸ばし、恐ろし気に口を開くのはドラゴン。
最強の幻獣であるドラゴンは悪の象徴ではありますが、その強さゆえに力の象徴、転じて強力な守護神でもあります。家具や小物などの装飾にしばしば登場し、唯一無二の強さを我が物とにしたいという人間の欲求にこたえてきました。このハンドルの装飾も、そのような気持ちから生まれた物でしょう。
持ち手の部分には数個のホールマークがみられます。英国アンティーク・シルバーはホールマークを読み解く愉しみがつきものです。ひとつづつ見ていきましょう。
左から、バーミンガムの錨、ライオンパサント、一番右のデイトレターは若干歪んでいますが小文字の「c」に見えます。これらは1902年、バーミンガムのアセイオフィスで認可を受けたスターリングシルバーであることを表しています。
メーカーズマークは やや読みずらいですが「A&JZ」と思われます。これは 「A & J Zimmerman」のこと。 「A & J Zimmerman」とは、アーサー・S.・ジマーマンと、ジョン・ウルリッヒ・ジマーマンによって1879年に設立されたシルバースミスです。「Zimmerman/ジマーマン」という苗字はドイツ系ですので、彼らもドイツ系だったのかもしれません。バーミンガムとロンドンに工房をもち、ロンドンにショールームも構えているほどのシルバースミスで、フォトフレームなどの小物を多く製作していました。ほとんどが1890年から1910年の間に製造されており、この時期が最も多作であったと思われます。1930年にはクローズしてしまいましたが、彼らのクオリティの高い銀製品は現在でもアンティーク市場でみることができます。
なお、拡大鏡のレンズ部分、そしてレターオープナーのブレード部分は後年に付け替えられたものと思われ、その部分はスターリングシルバーではございません。
レターオープナー、あるいはペーパーナイフは、「手紙の封を切る」ための道具として、なかなかに贅沢な品物。指を使って無理やり破く方は少ないと思いますが、レターオープナーは、カッターナイフよりも鋭くないがゆえに、折れ曲がったところを柔らかく破り、はるかに心地良く開封のお手伝いをしてくれる確かな道具として、17世紀から支持され続けています。
シルバーのハンドルをもつレターオープナー、そしてお揃いのハンドルを持つ拡大鏡。最強の幻獣をシルバーに棲まわせたデスクセットは、お傍に置けば、貴方のこの上ない守護となってくれそうです。
是非この機会にお手元に装備されてはいかがでしょうか。
◆England
◆Birmingham
◆推定製造年:c.1902年
◆素材:ガラス・金属・シルバー
◆ルーペサイズ:幅約4.1cm 長さ約11.3㎝
◆レターオープナーサイズ:長さ約17.2㎝
◆レンズ部分直径:約4cm
◆重量:ルーペ24g レターオープナー18g
◆在庫数:1セットのみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に微細な傷や汚れがみられますが、ガラス部分に目立つ傷はなく、とても良い状態です。
*レンズおよびオープナーの刃の部分は後年に付け替えられたものと思われます。
*オープナーは刃物ではありませんが、鋭い形をしています。お取り扱いには十分ご注意ください。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A