英国アンティーク、インク壺入れとペントレイ。
英国のアンティークフェアでみつけたデスクトップ用インク壺入れ。がっしりとしたオーク材で出来ており、手前にはペントレイがついています。
蓋を開ければ3つの穴が開いており、インク壺を落とし込むようになっています。3つの穴にはラベルがついており、左から以下の文字が見られます。
COPYING
RED
BLACK
「RED」と「BLACK」はそのまま赤と黒のインクということですが「COPYING」とは何でしょう?これを買おうとしたとき、謎だったので販売していた若い店主に尋ねましたが、彼も首を傾げるばかりでした。
それでも、ずっしりと重いオーク材の存在感がとても好ましかったのでそのまま購入いたしました。そして歩き出して暫くすると、いきなり肩を叩かれ、驚いて振り向けば先ほどの店主が息を弾ませて立っておりました。
「わかった!それはコピー用のインク。ヴィクトリア時代にコピー用のインクがあったんだよ!」
わざわざ誰かに聞いてくれたのでしょう、私にそのことを伝えると、彼は満足した表情で、また自分のストールに戻っていきました。こんなことがあるから、現地での買い付けは面白い・・・。
さて、少し調べてみました。
とても参考になりそうな海外のサイトがありましたのでご紹介しておきます。
Early Office Museum
Antique Copying Machinesの頁
https://www.officemuseum.com/copy_machines.htm
手紙等のコピーを保管したい場合、通常は人がコピーを手書きする必要がありました。この技術は 19世紀のほとんどを通じて一般的でありましたが、コピーすることの必要性の為に多くの技術が考えられてきました。そのひとつがカーボン紙。そしてコピーインク。
コピーインクはアニリン染料を使用しており、最初のアニリン染料は1856年に発明され、その後20年間に数多くのアニリン染料製品が発明されたといいます。
概要としてはまずコピーインクで書類を書き、特殊なプレス機のような器械を使って、油を塗った紙、湿らせた薄紙、、そして薄紙の裏側に表向きに書類を置き、ねじをしっかり締めて圧力をかけた状態で1-2分放置すると、コピーがとられ、その後は吸い取り紙で乾かすか、火の近くに置いて乾かすことができる・・・。というもの。
どんな感じでとか、どんな色で、なども興味がありますが、そこまでの資料はみつけることができませんでした。それにしても、なんて手のかかる!今の時代のコピー機は本当に夢のような器械なんだろうな、と実感せずにはいられません。
現代ではなかなかインクを使う機会も少ないかと思いますので、インク壺入れの部分は小物入れに如何でしょう。
ラベルの文字を眺めながら、当時のコピーの手間について考えてみるのも一興かと思うのですが、いかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年代:c.1880-1900年代頃
◆素材:オーク材(底面は松系の材)他
◆全体サイズ(外寸):幅約23.2cm 奥行約12.8cm 高さ約5.8cm
◆ペントレイ部分内寸:幅約20.6cm 奥行約4.3cm
◆インク壺用の穴:直径約2.7-2.8cm
◆重量:339g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。
*インク壺用の部分は、カバー部分が外れます。(本来は外れなかったと思います)
*蓋には小さな穴が開いていますが、とくに機能はなさそうです。前の持ち主が何かの都合で開けたのかもしれません。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A