フランスアンティーク、ブロンズ製ミニチュアチェア型宝石箱。
今回はとても優雅な逸品のご紹介です。
高さ僅か12cmほどの小さなチェア。
流麗な曲線で覆われた姿は小さいながらも最高に優雅で、細かなディテールにもエレガンスが感じられます。座る者を迎え入れるように開いた曲線で出来た左右のアーム。ロカイユ文様と小花を組み合わせた座面。ふっくらとしたオーバルの背もたれのトップにも左右非対称のロカイユ文様がく繰り返し使用され、小さな花と葉がアクセントとなっています。
作られた時代は古く、ナポレオン三世(在位1848-1870年)の頃と思われます。
ナポレオン三世の時代は、「花の都パリ」の都市としての原型が作られた時代。オペラ座を象徴するように、華麗な宮廷文化を受け継ぐエレガントで優雅な意匠、そしてどこか少しエギゾティックな雰囲気も持つ意匠が好まれました。マリー・アントワネットに心酔していたナポレオン三世の妻「ウジェニー・ド・モンティジョ/Eugenie de Montijo」の影響も強かったとされています。
もう少しお品物をみてみましょう。
小さな座面は開くことが可能で、恐らくかつてはこの内部はシルクのクッション張りであったことでしょう。現在は内張は失われていますが、小物入れとしてご使用いただけるかと思います。主素材はブロンズで真鍮よりはやや赤みがかった輝きをもっており、歳月により深い赤胴色となって良い景色を作り出しています。
また、「Coffret a Bijoux/コフレ・ド・ビジュー」とは、フランス語で「宝石箱」のこと。かつてレディたちのドレッシングテーブルにおかれ、大切なジュエリーを仕舞っていた宝石箱は、このようなブロンズ製の凝ったものが多く作られました。小さなタンスのような形をしていたり、そしてこのような小さな椅子の形をしていたりと、眼に愉しく優雅な品物が好まれていたようです。
花の都パリ。
ロンドンとはまた異なる19世紀の大都会では、どんな日々が繰り広げられていたのでしょうか。
その残滓の華やかな一滴を、貴方の元にお届けいたします。
◆France
◆推定製造年代:c.1850-1870年代頃
◆主素材:ブロンズ
◆サイズ:幅約8.7cm 奥行約7.2cm 高さ約12cm
◆重量:375g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色、歪み等がみられます。
*問題なく自立しますが、4本の脚は完璧に一緒には接地しません。
*4本の脚の先端はそれぞれ微妙に異なります。このような仕様なのか、後年変形したのかは不明です。
*座面内部の隅には小さな穴が開いており、底面裏側に通じています。理由は不明です。
*座面の蓋はそっとバランスをとれば開けておけますが、安定して開けておくための金具などはございません。
*背もたれのトップのロカイユ文様の先端は、おそらくもっと尖っており、後年に欠けてしまったように思います。その面は既に変色して馴染んでいますので、気づく方は少ないと思います。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A