英国アンティーク、スタントンスタイルのチェス駒セット。
英国のアンティークフェアで手に入れた、しっとりとした古艶が美しい木箱入りのおおぶりなチェス駒セット。スライド式の蓋をあければ、32ピースのチェスメンが現れます。
チェスメンには様々なスタイルがあります。
ロンドンのセントジョージ・チェスクラブで1840年頃から使われていた駒のデザインであったことから名づけられたセントジョージスタイル。
チェスゲームで人気があったパリのカフェ・デ・ラ・リージェンス/Cafe de la Regenceにちなんで名づけられたリージェンシースタイル。
そして今回ご紹介するのは、「スタントン・スタイル」です。
これは現在も公式に使われている駒の形で、第一回ロンドン国際大会・1851年から使われているもの。それまではまちまちの形をしたチェス駒が使われて、よく問題が起こっていたそうです。
この駒の形に決めたのが、当時世界最強プレイヤーといわれていた英国人Howard Staunton/ハワード・スタントン(1810-1874)。それ以来、このようなスタイル・形をスタントンスタイルとよぶようになりました。現在、最もメジャーなスタイルといってもよいでしょう。
今回ご紹介するチェスメンは緻密なボックスウッドから削り出されたおおぶりなもので、キングの高さが約8.2cm。箱にラベルなどはありませんが、それなりの年代を経ているように見えますので、19世紀後半頃のお品物かと推測いたします。
箱にはオーク材特有のシルバーグレイン(虎斑)が現れています。この手の箱は松系の軽い材で作られることが多いのですが、オーク材という堅木でつくられ、隅の納まりも木組みで作られておりますので、なかなか凝った仕様と言えます。
そして蓋には手書きで以下の文字が見られます。
J.Norcross
おそらくこれは持ち主の名前でしょう。
「Norcross/ノークロス」は、イングランド、ランカシャー州、「Poulton-le-Fylde/ポールトン=ル=フィルド」近郊のノークロスという地名に由来するとされる英語の姓とされます。
現時点でマップで調べたところ、具体的なノークロスという町名は確認できませんでしたが、キャンピングサイトや警察署名として現存していますので、かつてその地名があった、もしくは慣習的に認識されている通称なのかもしれません。
地名としてのNorcrossは、Middle Englishの「north(northern, north)」と「cros(cross)」が語源となっているそうですので、敢えて言うならば「北の十字」「もしくは「北の交差点」という意味かもしれません。
持ち物に名前を書く。
手にした年月日を書き込む。
誰かにもらったとき、もしくは上げる時に名前と年月日を書き込む。
そのものの背景や由来を如実に語ってくれるそんな書き込みは、英国アンティークを扱っているとよく見かけることがあります。その習慣のおかげで、かつての持ち主や時代背景等々、様々なことへと想いを馳せることが出来るのは、アンティークの醍醐味の一つだと思っています。
貴方のお手元にも、その一片を是非。
素晴らしいクオリティのチェスメンと共にお届けいたします。
◆England
◆推定製造年代:c.1860-1890年代頃
◆素材:木(ボックスウッド・オーク)
◆外箱サイズ:幅約20cm 奥行き約11.8cm 高さ約8.2cm
◆キング駒サイズ:高さ約8.2cm 直径約3.3cm
◆ポーン駒サイズ:高さ約3.9cm 直径約2.5cm
◆重量:616g(駒をすべて入れた箱の重量)
◆在庫数:1セットのみ
【NOTE】
*チェス駒32ピースと外箱1点、セットでのお品物です。
*チェスボードは付属しません。
*当店で取り扱ってきたアンティークチェスメンのなかでも、大きいサイズです。寸法をよくご確認ください。
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色、書き込み、材のワレ等がみられます。
*箱は隙間があったり、材が欠けている部分もございますが、機能的には問題ございません。
*箱内に仕切りはございません。
*底面にはフェルトが貼られています。少し傷んでいる箇所もございます。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。
Todd Lowrey Antiques
by d+A